ダッシュボードを「毎週の味見」にする:アゼルバイジャンの「ハイアット・リージェンシー・バクー」が、機器1台・4か月で食品ロスを37%減らした
アゼルバイジャンの首都バクーにある「ハイアット・リージェンシー・バクー」は、オービスク社の機器を1台だけ厨房に置き、4か月で食品ロスを37%減らした。オービスク社の2025年12月10日の記事によると、救った食事は814食、防いだCO2は1,300キログラム、節約は2,500ユーロだ。厨房のチームは、機器の画面(ダッシュボード)を「毎週の味見」のように扱い、小さな変更を1つずつ入れて、うまくいったものを残した。この記事では、毎週1つずつ変えるやり方と、そのときに忘れたくないことを考える。
何を求めていたか
オービスク社の記事によると、チームは、食品の安全を損なわず、仕事も増やさずに、食品ロスを減らしたいと考えていた。料理人たちが求めたのは、何が、いつ、なぜ捨てられたかを簡単に見る方法だ。食品ロスについての研修と意識も高めたかった。どんな変更も、厳しい食品の安全の決まりを守り、仕事の流れを止めないことが条件だった。
記事は、正確に需要を見込むことは、厨房の料理人と総支配人にとって本当に難しいと書いている。チームは正確な記録の方法を探し、オービスク社の機器にたどり着いた。導入はなめらかに進み、従業員も協力的だったという。
機器がすること
使ったのは、オービスク社の「エクセレンス」という等級の機器1台だ。捨てる食べ物を光の下にかざすと、何が、どれだけ、1日のどの時間に捨てられたかを自動で記録する。記事は、この機器がごみの流れ(どこから出たごみか)を見分けられる唯一の仕組みだとしている。
記録は、それぞれのダッシュボードに表示される。さらに、同社のAIがデータを見直し、狙いを定めた実際的な手に変えて示す。料理人は、捨てたものを見るだけでなく、どう減らすかも分かるという。
毎週の味見
記事によると、チームはオービスク社のダッシュボードを、データを使った「毎週の味見」のように扱った。
- すぐに、客に好まれる料理と、ごみ箱に行く料理が分かった
- 振るわない料理は減らした
- ごみの多いレシピは考え直した
- 人気の料理は目立つところに置いた
変更は、1回に小さな1歩ずつ入れた。毎週の結果が出るたびに、うまくいったものは残し、そうでないものは手直しした。結果として、本当の需要を映した献立になり、料理の提供の流れを止めずにごみが減ったと記事は書いている。
4か月の結果
記事によると、4か月で次の結果が出た。
- 食品ロスを37%削減
- 814食をごみ箱から救った
- 1,300キログラムのCO2を防いだ
- 2,500ユーロを節約
記事は、厨房に機器1台だけで、4か月という短い期間の結果だと強調している。4か月は約17週で、毎週1つずつ変えたとすると、17回ほどの小さな変更を試せる長さだ(InnBuddyによる計算)。記事は、814食をどう数えたかは説明していない。
1つずつ変える理由
一度にたくさん変えると、どの変更が効いたのかが分からなくなる。1つずつ変えて、次の週の数字で確かめれば、効いた変更だけを残せる。うまくいかなかった変更も、すぐに戻せる。ハイアット・リージェンシー・バクーのやり方は、厨房の料理人が新しい料理を味見して直すのと同じ考え方を、ごみのデータにあてはめたものと読める。
日本の宿に置き換えると
レシピを考え直したり、料理を入れ替えたりすると、使う材料が変わる。日本の宿で毎週献立を変えるなら、食物アレルギーの情報も同じ速さで更新したい。
消費者庁の「早わかり食品表示ガイド」(令和7年4月版)は、外食・中食の事業者には、食物アレルギーの情報の提供を義務づけていないと説明している。そのうえで、アレルギー疾患対策基本法にもとづく基本的な指針が、外食などの事業者による適切な情報の提供の取り組みを積極的に進めるとしていることを紹介している。
消費者庁は、外食・中食の事業者向けに、情報を提供するときのチェック項目を示している。
- 最新で正確な情報を提供する
- あいまいな回答はしない
- 原因の食物が意図せずまざる可能性(コンタミネーション)を伝え、重い症状の人には慎重に判断するよう促す
- 「食べられる、食べられない」の判断は客にしてもらう
- 食物アレルギーの問い合わせには、正しい知識を持った人が答える
「最新で正確な情報」は、献立を毎週変える厨房ほど大切になる。レシピを1つ変えたら、その週のうちに、料理の札や案内の材料の情報も見直す。この手順を、毎週の見直しの中に組み込んでおきたい。
InnBuddyシミュレーション(以下はすべて仮定)
朝食のビュッフェに20品を出す宿で、食品ロスが1週間に70キログラムあるとする。量ってみると、ロスの多い上位5品で、合わせて35キログラム(1品あたり平均7キログラム)だった。
毎週、上位5品のうち1品を選び、量や盛り方、補充のしかたを1つだけ変える。それぞれの品のロスが半分(7キログラムから3.5キログラム)になったとする。
- 5週間で5品を変えると、減る量:3.5キログラム×5品=17.5キログラム
- 1週間のロス:70キログラムから52.5キログラムへ、25%減
変更のたびに、次の2つを同じ週に行う。
- 次の週の数字で、効いたかを確かめる(効かなければ戻す)
- 材料が変わったら、アレルギーの情報を見直す
数字の確認とアレルギーの情報の見直しを1組にしておけば、毎週の変更が、ロスを減らしながら客の安全も守る手順になる。
小さく変えて、確かめる
ハイアット・リージェンシー・バクーは、機器1台のデータを毎週の味見のように使い、小さな変更を1つずつ入れて、4か月で食品ロスを37%減らした。日本の宿でも、毎週1つだけ変えて次の週の数字で確かめ、変えたらアレルギーの情報も見直す。そうした小さな繰り返しから始められる。
持ち帰れる知識
- 1回に1つずつ変えると、どの変更が効いたかが分かる
- 献立の変更は、本当の需要に合わせる手段になる
- 外食・中食の事業者に、食物アレルギーの情報の提供は義務づけられていないが、国は取り組みを進めるとしている
- 情報を出すなら、最新で正確な情報を、あいまいにせず伝える
宿で考えられること
- ロスの多い品を数品に絞り、1週間に1つずつ手を入れる
- 次の週の数字で効いたかを確かめ、効かなければ戻す
- レシピを変えたら、その週のうちにアレルギーの情報を見直す
- アレルギーの問い合わせに答える人を決めておく
事業・予約への接続
客に好まれる料理を前に出し、残りやすい料理を見直すことは、満足を高める献立づくりにもなる。アレルギーの情報を正確に保つことは、安心して泊まれる宿としての信頼につながる。
Sources / 参考情報
- Orbisk(英文) - 成功事例:ハイアット・リージェンシー・バクーは、オービスクのAIで食品ロスを37%減らした(2025年12月10日)
裏付け: 食品の安全を損なわず仕事を増やさずに減らしたい、何が・いつ・なぜ、研修と意識、厳しい食品の安全の決まり、需要の見込みは難しい、導入はなめらか・従業員も協力的、エクセレンス等級の機器、光の下にかざす、ごみの流れを見分ける、AIが手を示す、毎週の味見、振るわない料理を減らす・レシピを考え直す・人気の料理を目立たせる、1回に小さな1歩ずつ、4か月で37%・814食・CO2 1,300キログラム・2,500ユーロ、機器1台 - Orbisk(英文) - 他の食品ロスの記録の仕組みではなく、オービスクを選ぶ理由
裏付け: ハイアット・リージェンシー・バクーは自動の記録で見えるようになり、4か月で37%減・2,500ユーロ節約 - 消費者庁 - 早わかり食品表示ガイド(令和7年4月版)(PDF)
裏付け: 外食・中食の事業者には食物アレルギーの情報の提供を義務づけていない、アレルギー疾患対策基本法にもとづく基本的な指針が外食などの事業者の適切な情報の提供の取り組みを積極的に推進するとしている - 消費者庁 - 情報提供を行うときのチェック項目(PDF)
裏付け: 最新で正確な情報、あいまいな回答はしない、コンタミネーションの可能性を伝え重い症状の人には慎重な判断を促す、判断は客にしてもらう、正しい知識を持った人が対応 - 消費者庁 - 外食・中食での食物アレルギーについて
裏付け: 外食・中食の事業者向けの動画とリーフレット