宿の名前で検索した応募者が目にしているもの
求人票を出して、応募が来た。ところが面接の日に来ない。連絡もない。こういうことが、年に何度かあります。
辞退の理由は、宿の外にあることが多い
面接に来なかった人に、理由を聞けることは少ないです。聞けても「都合が悪くなりました」と返ってきます。
ただ、いまの応募者は、求人票を読んだあとにもう1度検索します。そこで見たものが、来るかどうかを決めています。
この作業は、宿の側からは見えません。見えないので、辞退の理由が「うちの宿の何だったのか」がわからないままになります。
あなたの宿の名前で、最後に検索したのはいつでしょうか。今日でなければ、1度やってみてください。
検索して出てくるもの
多くの宿で、最初に出るのは次の4つです。
- 予約サイト(お客様の評価と、宿の写真)
- 口コミサイト(泊まった人の感想)
- 宿のホームページ
- 地図と、写真
この4つのうち、応募者が見ているのは評価の数字と、写真と、書かれている言葉です。
お客様向けの情報が、そのまま採用の情報として読まれます。別の採用ページを用意していない宿では、これが応募者の見るすべてです。
応募者が、何を読み取っているか
同じ情報でも、お客様と応募者では読み方が違います。
| 書かれていること | お客様の読み方 | 応募者の読み方 |
|---|---|---|
| 「スタッフの対応がよかった」 | 泊まりたい | 働きやすそう |
| 「料理は普通、部屋は古い」 | 安いならいい | 余裕がなさそう |
| 「繁忙期は混雑していた」 | 仕方ない | 忙しすぎるのでは |
| 写真にスタッフが写っていない | 気にならない | どんな人がいるのか不明 |
| 更新が1年前で止まっている | 気にしない | この宿、大丈夫か |
右の列が、応募者の頭の中で起きていることです。お客様向けの情報は、採用の情報としても同時に働いています。
見ておきたい3つの場所
1. 口コミサイトの、直近の評価
点数そのものより、書かれている内容を見ます。
- 「スタッフが忙しそうだった」→ 人手の不足が見えている
- 「呼び出しに応じるのが遅かった」→ 配置の問題が見えている
- 「質問してもわからないと言われた」→ 教育の問題が見えている
お客様は、宿の内側の状態をサービスの形で書いています。それはそのまま、応募者が読む採用情報になります。
2. 写真に、人が写っているか
建物の写真、料理の写真、客室の写真。これらはどの宿にもあります。
働いている人が写っている写真は、多くの宿で不足しています。応募者が知りたいのは、どんな人と働くかです。
顔を出す必要はありません。後ろ姿、手元、清掃中の廊下、配膳前のお膳。これで十分です。
3. 宿のサイトに、採用の入口があるか
ホームページに「採用」の文字があるかどうか。ない宿は、まだ多いです。
ない場合、応募者はお客様向けの情報だけで判断します。判断材料が足りないので、不安なまま辞退することがあります。
採用のページは、大きくなくて構いません。1枚で、5つのことが書いてあれば足ります。
検索結果は、変えられる部分がある
全部は変えられません。口コミは、お客様が書くものです。
ただ、変えられる部分が3つあります。
- 宿のサイト(採用ページを1枚足す)
- 写真(人が写っているものを1枚足す)
- 古い情報の整理(募集が終わった求人を下ろす)
3つとも、お金はほとんどかかりません。かかるのは、1度手を動かす時間だけです。
口コミそのものは変えられませんが、口コミに書かれた状態を変えることはできます。「スタッフが忙しそうだった」が減れば、次の評価は変わります。それは採用の話であると同時に、現場の話です。
検索したあとに、辞退されたなら
面接に来なかった人に、あとから1行だけ送ってみる手があります。
「ご連絡がなく心配しています。もし差し支えなければ、気になる点があったか教えていただけると、今後の参考にします。」
返事は来ないことが多いです。ただ、来るときは、宿の中で1番正直な情報が返ってきます。
あなたの宿では、辞退の理由を聞いたことがありますか。聞いていないなら、次の辞退のときに1度だけ試してみてください。
日常の業務の中で意識したいこと
スマートフォンで、宿の名前を検索してみてください。 検索結果の最初から3つを、順番に開きます。
開きながら、「ここで働こうか迷っている人」の目で読んでみてください。お客様の目で読むのとは、違う場所が気になります。
気になった場所が1つあれば、それが今日直せる場所です。直せなくても、気になったという事実を書き留めておくだけで、次に見るときの基準になります。