採用 / RECRUITMENT採用戦略
TEAM対象: 現場リーダー

新しい人が入る日のチームの空気

新しい人が入る日、チームの空気は変わります。良くなることもあれば、重くなることもあります。変わるのは新人ではなく、もともといた人のほうです。この変化を放置すると、入った人は居場所を見つけにくくなります。


入る日に、もともといた人が感じること

新人が来る日、既存のスタッフの中では、いくつかのことが同時に起きます。

  • 仕事が1つ増える(教える、案内する、確認する)
  • 自分のやり方が見られる(新人に説明するとき、自分の手順を言葉にする)
  • 忙しい時期だと、負担に感じる
  • 期待する(やっと人が来た)
  • 警戒する(どんな人だろう)

期待と警戒が同時に来ます。この混ざった状態が、「どう接していいかわからない」という形になって表に出ます。

出た結果、起きるのは次の2つのどちらかです。過剰に親切になるか、必要以上に距離を取るか。どちらも、新人には居心地がよくありません。

空気が重くなる宿で起きていること

新人が入った日に、チームが重くなることがあります。原因は、新人ではありません。

  • 教える人が決まっていない(それぞれが「誰かがやるだろう」と思っている)
  • 仕事が減らない(新人が来ても、既存の人の持ち分が変わらない)
  • 前に入ってきた人が、すぐに辞めた(またか、と思っている)
  • 忙しい時期に重なった(教える余裕がない)

3つ目は、見落とされがちです。前に辞めた人の記憶が、チームの受け入れ方に影響します。

あなたの宿では、前に入ってきた人は、どれくらい続いたでしょうか。短かったなら、いまのチームは「またすぐ辞める人」として新人を見ています。これは新人のせいではありません。

空気が軽くなる宿で起きていること

1方で、新人が入るとチームが少し明るくなる宿があります。そこでは、次のことが起きています。

  • 教える人が1人、名前で決まっている
  • 教える人の仕事が、そのぶん減らされている
  • 初日に、顔を合わせる人が名前を呼ぶ(呼び方まで決まっている)
  • 最初の3日間の持ち場が、決まっている

4つとも、特別なことではありません。ただ、決まっているかどうかが違います。

決まっていると、既存のスタッフは「自分はこれをやればいい」とわかります。わからなくて重くなるのではなく、やることが決まっていて軽くなるのです。

あなたの宿では、初日のこの4つのうち、いくつが決まっているでしょうか。1つでも決まっていれば、残りは足すだけです。

初日にやることを、3つに絞る

初日に全部をやろうとすると、既存の人の負担が増えます。3つに絞ります。

1. 名前を呼ぶ

顔を合わせた人が1度、名前を呼ぶ。これだけです。「よろしくお願いします」より、名前を呼ばれることのほうが、入った人には残ります。

呼び方(さん付けか、名前か、役職か)を、朝のうちに決めておくと揃います。揃わないと、新人は「どう呼ばれる人なのか」を自分で判断することになります。

2. 場所を案内する

ロッカー、休憩室、トイレ、従業員の出入口、備品の置き場所。お客様用の動線と、従業員用の動線を分けて案内します。

案内は、教える人が1人で行きます。複数で案内すると、新人は名前を覚えられません。

3. 最初の仕事を、1つ渡す

3日目までの仕事ではなく、今日の午後1つだけ渡します。「この3階の廊下を、この手順で拭いてください」のような、終わりがはっきりしたものです。

終わりがはっきりしていると、その人は「できた」を初日に1度経験できます。初日の「できた」は、次の日に来る理由になります。

既存のスタッフへの1言

新人が来る前に、既存のスタッフに1度だけ言っておくと、空気が変わります。

「月曜からAさんが入ります。最初の3日間は、Bさんが教えます。皆さんは、名前を呼ぶことだけお願いします。」

「皆さんは名前を呼ぶだけ」と限定すると、負担が軽いことが伝わります。負担が軽いと、人は協力します。 曖昧に「よろしくお願いします」と言うと、何をやればいいかわからず、誰も動かなくなります。

入った人が見ているもの

新人は、初日に仕事を見ていません。次を見ています。

  • 挨拶が返ってくるか
  • 自分以外の人が、どう扱われているか
  • 忙しくなったとき、誰かが助けに来るか
  • ミスをした人が、どう扱われるか

4つ目は、初日には見えないことがあります。ただ、2週間で見えます。そして2週間目に見えたものが、その人が続けるかどうかの判断材料になります。

あなたの宿で、ミスをした人は、どう扱われていますか。それを新人が見ている、と考えておくと、初日の空気のつくり方が変わります。

現場スタッフと交わしたい小さな対話

次の入社日の、初日の3つを決めてみてください。 名前を呼ぶ人、案内する人、最初に渡す仕事。

3つが決まったら、それを既存のスタッフに1行で伝えます。 決まっていることが伝わると、チームの空気は当日を待たずに変わります。

入社日が決まっていないなら、「次に人が入ったら、誰が案内するか」を1人決めておいてください。 決まっているだけで、来た日の朝が慌てません。



NEXT READ

OB004新人の受け入れ担当(バディ)をどう決めるか→ TM022新しい人をチームに迎えるときの作法→ OB026入社初日のスケジュールはどう組むか→