採用 / RECRUITMENT採用コスト・人件費
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人を増やす前に・仕事を減らせないか

人が足りないとき、最初の手は採用に見えます。ただ、採用には時間とお金がかかります。かかる前に、いまある仕事を減らせるかを1度見ると、採る人数が変わることがあります。


先に減らすほうを見る理由

理由は3つです。

1. 採用は遅い

求人を出して、応募が来て、面接して、入るまで。早くても1ヶ月、普通は2、3ヶ月かかります。そのあいだの不足は、減らすしか埋められません。

2. 減らした仕事は、戻ってこない

採用した人は、また辞めるかもしれません。ただ、やめた仕事は、やめたままです。1度減ると、人の入れ替わりに影響されません。

3. 仕事が多いまま人を増やすと、増やした人が同じ目に遭う

仕事の量が同じで人だけ増えると、1人ぶんが薄まります。薄まると、「採ったのに楽にならない」となります。なった現場は、次の採用に協力しにくくなります。

あなたの宿では、直近の採用のあと、現場は楽になりましたか。ならなかったなら、量が同じだったということです。

仕事を4つに分ける

減らす前に、いまある仕事を4つに分けます。

| 分け方 | 例 | 扱い |

|---|---|---|

| やめられる | 誰も開かない日報、2度入力している情報 | やめる |

| 減らせる | 毎日やっていた点検を週3回に | 頻度を落とす |

| 移せる | 支配人がやっていたシフト作成を、主任に | 人を替える |

| 残す | 接客、清掃、調理、安全確認 | 守る |

4つのうち、「やめられる」から順に手をつけます。やめるのが1番軽く、効果もすぐ出ます。

分けるときに、1人で分けなくてよいです。現場の人に「この中で、やめても困らないものはどれですか」と聞くと、答えが出てきます。現場は、いらない仕事を1番よく知っています。

やめられる仕事の見つけ方

見つける問いは、3つです。

問い1:「これをやめて、誰が困りますか」

名前が出なければ、やめても困る人がいません。困る人が出たら、その人に見せて判断をもらいます。

問い2:「この情報を、誰が読んでいますか」

書いて、読まれていない書類は、宿の中にあります。申し送り、点検表、日報。読む人がいない記録は、書く時間を返せます。

問い3:「この作業は、何のためにやっていますか」

答えが「昔から」なら、目的が消えている可能性があります。目的が消えた作業は、やめる候補です。

3つの問いを、1週間で5つの作業に当ててください。5つのうち1つでもやめられたら、その分の時間が毎週戻ります。

旅館で実際によくなる例

形が見えるように、4つの例を挙げます。あなたの宿に似たものがないか、見ながら読んでください。

例1:客室の毎日点検を、空室の日にまとめた

毎朝やっていた全客室の点検を、稼働の低い曜日に集約。朝の3十分が返って、朝食の人手に回せました。

例2:紙の申し送りを、板書の3点に減らした

長い申し送り文をやめて、「今日のお客様の注意・設備の不具合・明日の予約状況」の3点だけ。書く時間が減り、読む時間も減りました。

例3:料理の1品を、仕込み前日に移した

朝にやっていた1品を前日の仕込み時間に移動。朝の厨房が1人ぶん軽くなりました。

例4:予約サイトの在庫更新を、1日2回に決めた

随時更新をやめて、朝と夕方の2回に固定。担当の「気にしている時間」が減りました。

4つとも、人を増やしていません。時間と注意を、別の場所に動かしただけです。

減らしたあとは、時間をどこに回すか

減らすと、時間が空きます。空いた時間の使い道を、先に決めておくことが大事です。

決めていないと、空いた時間は新しい雑務で埋まります。埋まると、「減らしたのに楽にならない」になります。

使い道の候補は3つです。

  • 休みに変える:空いた時間で、早く帰れる日を作る
  • 教育に回す:新人に教える時間を、シフトに入れる
  • 接客に戻す:お客様と話す時間を増やす

3つのうち、あなたの宿がいま1番足りないのはどれでしょうか。足りない場所に回すと、減らした効果が見えます。

減らせないなら、そのとき採用

4つに分けても「残す」ばかりで、減らせるものが出てこない宿もあります。その場合は、本当に人が足りないということです。

この確認をせずに採用すると、仕事の量が変わらないまま人が増えます。増えた人が辞めると、また足りなくなります。

減らすほうを見てから採用すると、求人票の条件も変わります。「この仕事はもうありません」が書けるので、入る人が想像しやすい求人になります。

明日からの実践につなげるワンアクション

現場の人1人に、「この中で、やめても誰も困らない作業はどれですか」と聞いてみてください。

答えが出たら、その作業を来週からやめてみます。やめて1週間、困ったことが起きなければ、正式にやめます。

答えが出なかったら、上の3つの問いを自分の作業に当ててください。経営者や支配人の作業の中にも、やめられるものはあります。上の人が1つやめると、現場はやめやすくなります。



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