入社後1ヶ月の面談で聞くべきこと
「最近どう?」「大丈夫です」——1ヶ月目の面談が、この2行で終わる形は多いです。面談の深さは、態度でなく質問で決まります。この記事は、本音の口を開く質問をまとめます。
なぜ1ヶ月目なのか
1ヶ月目は、答え合わせの期間です。新人は入って1週間で職場を測り、1ヶ月で「自分なりの答え」を持ちます。
- 早すぎる面談(1週目):まだ言葉がありません
- 遅すぎる面談(3ヶ月目):答えが「辞める」で出たあとです
1ヶ月目は、答えがまだ言葉で出せる時期です。この時期の十5分は、3ヶ月目の1時間より軽い形で効きます。
面談の前の形づくり
3つだけ整えます。
- 十5分、座れる場所で(立ち話の形は、重い話を出しません)
- 評価でなく、聞く場と最初に1言置く(「今日は点数をつける場でなく、あなたの話を聞く場です」——『1on1と評価面談はどこが違うのか』の評価面談との線引き)
- メモは本人に見える場所に置く(記録される安心と、記録される緊張——あなたの職場の新人には、どちらが強いか見ながら)
聞く質問:3つのグループ、9つ
グループA:仕事の質問
• 「この1ヶ月で、どの仕事がいちばん面白かったですか」
• 「どの仕事が、重かったですか」
• 「自分の仕事を、3行で説明してもらえますか」
グループB:人と場の質問
• 「相談できる人は、何人くらいいそうですか」(人数は、つながりの目安です・『入社後の人間関係はどうつくられるか』)
• 「聞きたかったけど聞けなかったことは、ありましたか」
• 「休憩は、くつろげていますか。昼はどう過ごしていますか」
グループC:これからの質問
• 「入る前に想像していたのと、違うところはありましたか」
• 「来月、できるようになりたいことは何ですか」
• 「職場で、『ここが変わるとよい』と思うところはありますか」
9つ目の質問は、心理的安全性の測りでもあります。職場を変える提案が出た面談は、本音が出た面談です。何も出ない面談は、まだ形が重い可能性があります。
9つ全部を聞かなくてよい形です。各グループから1つ、計3つで十5分は回ります。
聞かないほうがよい3つ
• 「慣れましたか」——「はい」で閉じる形です。慣れたの言葉の裏に重さが隠れます
• 「何か問題ありますか」——「ないです」で閉じる形です
• 「なんでそうしたの」——問い詰めの形は、次の面談を重くします
3つの代わりに、開いた形で聞きます——「最近の過ごし方はどうですか」「気になっていること、1つありますか」。開いた質問は、答えの長さが本人に委ねられる形です。もちろん、短い答えが浅いとは限りません——言葉を組み立てている途中の人もいます。
聞いたあとにすること:3つ
• 繰り返す:「○○が重かったんですね」——復唱は「聞いてもらった」の形です
• 1つ直す:直せるものをその場で1つ(「休憩のレンジの件、明日貼り紙します」)。直さない面談は、次回から本音が出ません
• 1行残す:本人の言葉で1行。次の面談の最初の1言は、その1行から始まります
日本語が母語でない新人の形
質問は同じで、形を軽くします。
- やさしい日本語に置き換える(「重かったですか」→「大変だったことは、何ですか」・『「やさしい日本語」とは何か』)
- 考える時間を置く(質問のあと、十秒待つ形・『日本語が母語でないスタッフが会議で黙っているとき』)
- 書ける形を用意する(面談の前に3行書いてもらう形もよいです)
日本語の重さは、話の中身でなく形に出ます。短い答えでも、答えの中身を聞いてください。
現場でまず着手できること
9つの質問から3つ選んで、メモに書いてみてください。
- A・B・Cのグループから1つずつ
- 次の1ヶ月目面談に、そのメモだけ持って入ってください
メモの3問は、面談の地図になります。地図がある面談は、「大丈夫です」で終わりません。あなたの職場の1ヶ月目の新人は、いま何を言葉にしたがっていますか——3つの質問は、それを聞くための形です。