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外国人スタッフの労務管理で確認しておきたいこと

労務管理の基本は日本人スタッフと同じです。労働基準法は国籍で変わりません。ただ、外国人スタッフには足して確認する項目があり、足し忘れると本人と宿の両方が困ります。


出発点:基本は同じ

最初に線を引きます。

  • 労働時間、休憩、休日のルール → 同じ
  • 賃金の支払い(通貨で、直接、毎月1回以上、全額)→ 同じ
  • 労働条件の明示 → 同じ
  • 社会保険・労働保険の要件 → 同じ
  • 安全衛生の教育 → 同じ

「外国人だから別」はありません。違うのは伝え方の形だけです。

基本が曖昧な宿では、外国人スタッフの労務はもっと曖昧になります。あなたの宿では、タイムカードの記録は全員ぶん残っていますか。ここが土台です。

足して確認する6つ

6つのうち、あなたの宿で形になっているものはいくつありますか。

1. 在留資格と在留期限

  • 資格と仕事の内容が合っているか
  • 在留期限はいつか。更新の時期を宿も把握しているか
  • 留学生なら、資格外活動許可があるか

期限切れの就労は、本人だけでなく宿にも罰則が及ぶ形があります(不法就労助長)。期限の1覧を1枚にし、更新の3ヶ月前に見ます。

2. 労働時間の記録と線

  • 時間の記録は、日本人と同じ形で残す(タイムカード、アプリ)
  • 留学生には週28時間の線があり、他の職場の時間と合算されます。宿だけで28時間に収めても、別の場所で働いていれば線を超えます。入るときに「他に働いている場所はありますか」と1度確認します。あなたの宿では、この確認をしていますか
  • 繁忙期の残業が本人の希望の範囲かを見る(時間のすれ違いはトラブルの元です・『外国人スタッフとのトラブルが起きたときの対応手順』)

3. 賃金と控除

  • 報酬は、同じ仕事の日本人と同等以上(特定技能の原則・『特定技能「宿泊業」とは何か・どこまでできるのか』)
  • 最低賃金は都道府県ごとに違い、毎年変わるので確認します
  • 住居費や光熱費の天引きは、書面の合意がないとできません(労基法の控除のルール)。天引きがある宿は、控除の書面と内訳を本人に渡します

天引きは、本人が「手取りが少ない」と感じる1番の場所です。内訳の紙を渡していますか。紙があると、疑いが育ちません。

4. 届出

  • 外国人雇用状況の届出(ハローワーク):雇ったときと辞めたとき
  • 社会保険・雇用保険の加入:要件を見て判断

届出の様式はハローワークのサイトにあります。担当の名前を決めておくと、人が替わっても止まりません。

5. 労働条件の明示(伝わる形)

  • 労働条件通知書は、本人が理解できる形で
  • 変更(シフト、担当)があったら、そのたびに出し直す

「日本語の紙にサインした」だけで終わると、あとから「知らなかった」が出ます。知らなかったは、トラブルの入口です。

6. 安全と衛生

  • 危険な場所(厨房の火、薬品、運搬)の注意が読める形か
  • 怪我の報告のしかたを、初日に1度やっているか

危険箇所の注意は、あなたの宿で読める形になっていますか。

  • 定期の健康チェックの対象か(日本人と同じ要件)

安全の注意が読めないと事故が起きやすくなります。事故は体と運営の両方に重いです。

1枚の管理表にする

6つの確認は、1人1行の表にすると回ります。

| 名前 | 在留資格 | 在留期限 | 週の所定時間 | 保険 | 届出 | 通知書の形 |

|---|---|---|---|---|---|---|

| Aさん | 特定技能1号 | 2027/3 | 40h | 加入済 | 済 | 母語版あり |

あなたの宿に、この表はありますか。表があると期限と更新が1目でわかり、ないと確認は「気になったときに聞く」形になって、聞かない期間は空白になります。表があれば安心、とは限りません。毎月見る場所で回して、初めて形になります。

表の置き場所は、人事のフォルダの奥でなく、毎月見る場所にします。給与の計算のときに1緒に見ると、止まりません。

困ったときの相談先

労務の判断は、宿だけで抱えないほうがよい場所があります。

  • 労働基準監督署:時間、賃金、安全の相談(無料)
  • ハローワーク:届出、採用の相談
  • 社会保険労務士:保険、規程、個別の判断(有料)
  • 登録支援機関・監理団体:特定技能・実習の人の生活と制度

「違法かどうか」の判断は、専門の場所に聞くのが軽い形です。聞いた記録が残ると、宿の管理の証拠にもなります。

現場でまず着手できること

外国人スタッフ(アルバイト、実習生を含む)の「在留資格・在留期限・週の時間」を、1枚の表にしてみてください。

書けたら、期限の近い人(半年以内)に丸をつけます。丸がついた人の更新の話を、3ヶ月前の予定に入れます。

必要な情報が手元にない場合は、本人に1度見せてもらうところからです。「労務の確認なので、在留カードを見せてください」で足ります。表ができた日から、労務管理は「毎月見る」形に変わります。



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