定着の状況をどう見える化するか
定着の状況は、測らないと見えません。ただ、何を測るのでしょうか。この記事は、見える化の形——1枚の紙に置く行を置きます。
なぜ見える化するのか
- 測られない行は、直されません。定着は、経営の表に自分の行を持つべきです
- 見える化は、公平の形です——印象でなく行で人を読む
- 見える化がない施策は、空中に置かれます。効果を測るには、先に基準の行が要ります
あなたの会社では、定着の状況はどこで見えますか。
見える化の3つの層
層の1:数字——遅れて出る行
- 離職率、定着率、勤続の平均
- 割って読みます——箱(働き方・関係・先・外)、時期(1年以内・3年目)、月(繁忙期あと)
- 数字は「何が起きたか」を教えます。起きたあとに
層の2:声——理由を運ぶ行
- 小さなアンケート(5問)、1on1のあとの1行、退職面談の記録
- 声は「なぜ起きたか」を教えます
- 声のない数字は、場所を示しません
層の3:行動——早く出る行
- 有給の取得率、残業の並び、休みの申請の形、兆候のサイン
- 行動は「いま何が起きつつあるか」を教えます
- 行動の行は、数字より数ヶ月早く動くことが多いです——ただ、職場によっては同時に動くこともあります
3つの層が揃うと、過去・理由・現在が1枚に載ります。あなたの会社の見える化には、3つの層がいくつありますか。
小さな宿の1枚——月のダッシュボード
A41枚に、5つの行で足ります。
• 今月の離職数(箱の名前を添えて)
• 残業の平均
• 有給の取得率
• 1on1の行われた数
• 声が1行(今月のアンケートか面談から)
4半期に1度、足す行——アンケートの5問の答え、退職面談の記録の箱分け。
重いシステムは要りません。1枚と1月から、見える化は始まります。あなたの会社の1枚には、どの行が欠けていますか。
KPIの設計——3つの原則
• 先行と遅行を並べる——遅行(離職率)だけでは、バックミラーだけの運転です。先行(残業、有給、声)を隣に置きます
• 量と質を並べる——「人が残った」の数だけでなく、「人が育った」の行も置きます(段の上がった人の数——『定着率の数値目標はどう置くか』・『評価と採用・配置をどうつなげるか』)。停滞の定着と、成長の定着は、同じ数字に隠れます
• 測りの公平を守る——数字を個人の責任に課しません。「あなたのチームから2人辞めた」の形は、報告を隠し、職場を歪めます。数字は構造の鏡として読みます。あなたの会社では、先行と遅行が並んでいますか
見える化を動かす形
- 現場にも1行で返す——経営だけが見る数字は、行動を変えません。「今月の有給取得率、ここまで来ました」の1行を朝礼に
- 施策につなぐ——数字の行ごとに、直しの行を1つ
- 4半期に読み直す——ベースラインは動きます。読む目を、数字に合わせて直します
罠:3つ
• 数字の載せすぎ——2十行のダッシュボードは、誰も読みません。5つの行が読まれる形です
• 良い数字だけ測る——悪い行を隠すと、見える化は自分を欺く形になります
• 数字が目標に化ける——測る行が「ノルマ」になると、辞めさせない圧の職場が生まれます。あなたの会社の見える化は、どの罠に近いですか
無理なく続けられる現場の工夫
A4の1枚に、5つの行の枠を描いてください。
- 先月の数字を、埋められる所まで埋めます
- 埋まらない行が、あなたの会社の「見えていない場所」です
- 1枚を、経営の机と休憩室の壁——2つの場所に置きます
定着の見える化は、立派なシステムからでなく、1枚と1月から始まります。あなたの会社の5つの行は、今日の紙から動き始めます。