組織文化はどうつくられるのか
「うちの文化」——言葉に書けないのに、そこにあります。文化は作られるのでなく、「積もる」物です。この記事は、その仕組みを、4つの道として読みます。
組織文化とは——3つの読み
- 癖の集まり——人が無意識にやる行の集まりです。誰も見ていない時のやり方が、文化です
- 暗黙の規則の集まり——「ここでは、そういうものだ」の集まりです。書かれた規則より強いことがあります
- 物語の集まり——「ここで、ああいうことがあった」の話の集まりです。物語は、新人に「ここではどうするか」を教えます
3つの読みは、同じ物の3つの面です。あなたの宿の文化を、どの読みで語りますか。
文化が生まれる4つの道
• 繰り返し——毎日の行が癖になり、癖が文化になります。挨拶の文化は、毎日の挨拶から生まれます
• リーダーの行——経営と支配人の「やったこと」が、「言ったこと」より多くを教えます。行は、文化を書く毎日の黒板です
• 褒めと叱り——誰が褒められ、誰が叱られるか。褒美の向きが、文化の本当の向きです
• 物語——「あの時、社長が…」「あの時、私たちは…」の物語が、文化を世代に運びます
4つの道は、毎日働きます。文化は眠りません——良い方向にも、悪い方向にも積もります。
文化「でない」物——3つ
- 壁の理念でない——壁の言葉は、毎日に使われる時だけ文化です。使われない理念は、飾りになります
- 1回の行事で作られない——1日の研修は文化にならず、記憶になります。文化は行事でなく、行事のあとの毎日で積もります
- 均1でない——1つの宿の中に、複数の文化が住みます(厨房とフロント、ベテランと新人)。均1の文化は、地図の上だけにあります
現場の変化に見る2つのケース
典型的な2つを並べます(※宿泊現場の実情を踏まえたケーススタディです)。
- 1の宿(旅館)——社長は壁に理念を掲げました——「客が先」。ただし、毎日の褒美は「回転の速さ」にありました——部屋を速く回した人が褒められ、客に長く付き合った人が「早くして」と言われる形です。5年のあと、この宿の本当の文化は「速さが先」でした。壁の理念は、誰も信じない飾りになりました。文化は壁の言葉でなく、褒美の向きで生まれることが見えました
- 別の宿(ホテル)——総支配人は文化を語りませんでした——3つだけを守りました:毎朝、自分が最初の挨拶をする(繰り返し)。スタッフが規則より客を選んだ時、皆の前で褒める(褒美)。月の会で「今月の客の物語」を1つ語る(物語)。十年のあと、新人は「ここでは、こうするものだ」を、教わる前に物語で語りました。文化は、名付けられずに積もりました
差は、文化を作ろうとしたか、生まれる道を守ったかです。あなたの宿は、どちらをしていますか。
リーダーが自問したい4つのポイント
- 自分の宿の「暗黙の規則」は何ですか——「ここでは、そういうものだ」の中身
- 最近、誰を、何で褒めましたか
- 壁の理念は、毎日の会話で使われていますか
- 新人が最初に聞く物語は、何ですか
今日から見直せる業務のポイント
今日の「ここでは、そういうものだ」を、1つ注意して聞いてください。
- その1つが、自分の宿の文化の生きた見本です
- 文化を変えるなら、その言葉の生まれる道から変えます——繰り返し、行、褒美、物語
あなたの宿の「そういうものだ」は、何ですか。