宿泊業の組織図はどう設計するか
組織図は「序列の図」でなく、「仕事の地図」です。夜勤と繁忙と部署の横の連携がある宿では、どう描くのでしょうか。この記事は、設計の段と、宿特有の落とし穴を置きます。
組織図とは——3つの読み
• 仕事の地図——誰が何を担うかです。役の見えない図は、毎年引き直されます
• 権限の流の地図——誰が何を決めるかです。権限の曖昧は、現場を止めます
• 話の経路の地図——誰が誰と話すかです。線の多すぎる図は、騒ぎになります
3つの読みのうち、自分の宿の図はいくつに応えていますか。応えていない読みが、その図の穴です。
設計の5つの段
• 仕事の列を先に並べる——図の前に仕事です:フロント、客室、厨房、宴会、予約、夜勤。仕事を並べずに描いた図は、現実と合いません
• まとめる軸を決める——機能でまとめるか(部署別)、客の旅でまとめるか(泊の前・中・後)、時間帯でまとめるか(日勤・夜勤)。宿は3つの軸の混ぜ物で、混ぜ方の設計が図です
• 決定の権限を描く——各の役が「何を決められるか」を印にします:割引、部屋の変更、緊急の対応。権限のない図は、飾りです
• 横の線を描く——連携は縦の序列に収まりません。部署の横(宴会×厨房、フロント×客室)を点の線で描きます
• 見直しの間を決める——年に1度か、人の数の変化のたびか。引き直さない図は、壁の飾りになります
宿泊業の3つの落とし穴
- 夜勤の穴——夜の勤は、昼の図に収まりません。収まらない夜勤は「見えない部署」になることがあります
- 繁忙の変身——繁忙期の図は、普段の図と違います。「普段」と「繁忙」の2枚を描く宿があります
- 小さな宿の問題——5人の宿で組織図は笑われることがあります。ただし、5人でも役の地図は要ります。小さい宿の図は、序列でなく担当です
アプローチの違いによる2つの事例
典型的な2つを並べます(※現場で実際に見られる対照的なケースの比較です)。
- 1の宿(60室のホテル)——組織図は4つの部署(フロント、客室、飲食、事務)で、十年前に引かれたままでした。問題は3つ——予約は事務の下にありますが、苦情はフロントが受けます。夜勤の3人はどの部署にも属さず「浮き」でした。新しい総支配人は引き直しました——軸を客の旅に(泊の前=予約・営業、泊の中=フロント・客室・飲食、泊の後=会計・客の声)、夜勤は「夜の部署」として独立させました。苦情のたらい回りは減り、夜勤は初めて「自分たちの部署」を持ちました
- 別の宿(8室の旅館)——女将は組織図を「大きな会社の物」だと思っていました。ただし実態は——女将がフロント+会計+仕入れ、仲居頭が客室+教育、厨房が1人の「全部の3人」でした。新人が「誰に聞けばいいですか」と聞くと、皆が「見ながら覚えて」でした。1枚の簡単な地図を描きました——序列でなく「誰が、何を担当するか」の地図です。質問は宛先を持ち、新人は3日で、3月かかるはずの質問をしました。3人でも、役の地図は要りました
差は、序列の図を描いたか、役の地図を描いたかです。あなたの宿の図は、どちらですか。
現場を見つめ直すための4つの問い
- 自分の宿の組織図は、いつ引かれましたか
- 夜勤は、図に載っていますか
- 新人は、図から「誰に聞くか」が分かりますか
- 自分の図は、序列の地図ですか、役の地図ですか
今日から始められる最初のアクション
「誰が、何を担当するか」を、1枚の紙に描いてください。
- 序列でなく、役です。線は「話の経路」、点の線は「横の連携」
- その1枚が、組織図の種になります。小さな宿ほど、種は早く芽を出します
あなたの宿の1枚には、いくつの役が載りますか。