Organization / 組織づくり権限・意思決定
KNOWLEDGE対象: 経営者・支配人

権限委譲はどこまで進めるべきか

「権限を委譲したい」——多くの経営が言います。ただし「どこまで」は曖昧です。進めすぎると乱れ、進めないと支配人が疲れます。この記事は、権限委譲の「考えの枠」を置きます。


権限委譲とは——3つの言葉

  • 仕事の丸投げでない——「決める権利」を渡すことです。仕事だけ渡して権利を渡さないのは、負担の移動です
  • 責任の放棄でない——責任は委譲した人に残ります。権利は移り、最後の責任は移りません
  • 1回の事件でない——段を上げたり下げたりする、梯子です。梯子のない委譲は、跳躍です

3つの言葉のうち、自分の宿の「委譲」はいくつを持っていますか。

委譲の5つの段

• 報告だけ——決めるのは上で、現場は報告します

• 相談——現場が案を出し、上が決めます

• 前もっての合意——現場が決めますが、行う前に確認します

• 後からの報告——現場が決めて行い、あとで報告します

• 完全の委譲——現場が決めて行い、例外だけ報告します

段は、事柄ごとに違います——割引は3段、緊急の部屋の変更は5段、設備の投資は1段のこともあります。1つの段で全部を覆うと、どこかで無理が出ます。あなたの宿の事柄は、今、どの段にありますか。

「どこまで」の3つの問い

• 失敗の値段は被れるか——間違った割引が1夜で取り返せるなら、段は上げられます。取り返せない値段は、下の段に残します

• 情報は現場にあるか——客の顔を知る人が、その客の扱いを決めます。情報が現場にある所の委譲は、理に合う形です

• 引き戻せるか——引き戻せない委譲は、危うい形です。梯子があれば、1段戻せます

3つの問いに「はい」が並ぶ事柄から、段を上げます。あなたの宿で「はい」が3つ並ぶ事柄は、何ですか。

委譲しない時に起きること——支配人の疲れ

1の旅館では、社長が何の権限も渡しませんでした——割引も、苦情も、シフトの変更も、全部が社長を通る形です。支配人は「伝言の人」になり、現場は「支配人に聞いても無駄、社長に直接」を覚えました。社長の電話は鳴り止まず、支配人は疲れて、権限を持ちませんでした。

ある日、社長が倒れて2週間入院しました——宿は、何も決められずに止まりかけました。戻った社長は梯子を登りました——苦情は4段、割引は3段、シフトは5段へ。電話は静かになり、支配人の顔が変わりました。疲れは仕事量でなく、権限の不在でした。

別のホテルのグループは、逆の失敗をしました——委譲を速く、深く進めすぎた形です。新しい支配人が急に5段に置かれ、割引を自由に決め、2つの宿の利益が崩れました。本部は権限を引き戻さず、「地図」を置きました——どの段で、何を、いくらまで決められるかの紙です。権限は残り、段に形が付きました。委譲には、梯子と地図の両方が要ります。

リーダーが自問したい4つのポイント

  • 自分の宿の苦情対応は、何段目ですか。割引は
  • 支配人は「決める権利」を持っていますか、「伝言の仕事」を
  • 被れる失敗の値段を、言葉で言えますか
  • 自分の宿の委譲の「地図」は、紙でありますか

明日からの実践につなげるワンアクション

1つの事柄(苦情の対応など)を取り、今の段を今日決めてください。

  • それから、来月の段を決めます。委譲は宣言でなく、1段から始まります
  • 段の決定は、地図の最初の行です。地図は、支配人を守ります

あなたの宿の最初の1段は、どの事柄ですか。



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