新人の配属先をどう決めるか
「空いているところに置く」——人手不足の宿では、配属がこの形で決まりがちです。ただ、空席で決めた配属は、3ヶ月目に理由を失います。この記事は、「伸びる場所」で決める形をまとめます。
「空いているから」の3つの穴
配属を空席から決めると、3つの穴が空きます。
穴1:本人の材料が使われない
面接で聞いた希望、経歴、得意の形——採用のときに集めた材料が、配属の机に載らない形です。
穴2:消去法の配属になる
「フロントは埋まっているから客室」——消去法で決まった場所は、本人に説明できません。説明できない配属は、「自分は余っていたのか」の感覚に繋がることがあります。
穴3:チームの側も見ない
どのチームがどんな人を求めているか——受け入れる側の絵がないと、配属は置くだけになります。
あなたの会社の直近の配属は、3つの穴のうちいくつを避けて決められましたか。
見るもの:4つの情報
配属を決めるときに並べるのは、4つです。
1. 面接の記録
「やってみたい」と言ったこと、「続けた経験」があること。記録が薄いなら、次の採用から1行残す形にします。
2. 得意の形
能力の高さでなく、形で見ます——人と話す形で伸びる人、手を動かす形で伸びる人、細かい確認で伸びる人。1ヶ月の同行で見える形でもあります。
3. 本人の希望
3年後に何をしていたいか。希望と配属が繋がるとき、人は仕事を「自分のもの」として持ちます。
4. チームの構成
その人が入ると、どのチームの形がよくなるか。繁忙期の重さの分散も、ここに入ります。
4つを並べると、配属は「空き」でなく「選び」になります。あなたの会社の配属の机に、4つは並んでいますか。
決め方の手順:4歩
歩1:2行で書く
本人の側(希望・得意)と、職場の側(求めている形)を、それぞれ2行で紙に書きます。書けない行は、情報が足りないサインです。
歩2:候補を2つ決める
第1候補と第2候補——1つに決めない形にします。1ヶ月目の面談と確認リストを見てから、確定できます。2つの候補は、本人にも「見てから決める」の安心を渡します。
歩3:理由を言葉で渡す
配属を伝えるとき、理由を1行添えます。「客室から始めてもらいます——宿の仕事は部屋から覚える形が、あとで効くからです」。理由のある配属は、本人の中で物語になります。理由のない配属は、命令のまま残ります。
歩4:見直しの時を決める
「1ヶ月目の面談で、もう1度話します」——初日にこの1言を置きます。配属は確定でなく、対話の形になります。
公平の線:説明できるかで測る
配属の公平は、本人に説明できるかで測れます。
- 説明できる配属:材料(4つの情報)が見えている形
- 説明できない配属:都合だけで決まった形(ブラックボックス)
日本人の新人にも外国人の新人にも、同じ4つの情報で決めます。「外国人は客室清掃」のような線を引いた職場では、配属がラベルになります。線は、本人の材料で引くもので、国籍で引くものとは限りません——むしろ、国籍で引かれた線は、本人の材料を見ていない形です。
あなたの会社の配属は、本人に3行で説明できますか。
よくある3つの間違い
• 初日より前に確定して、1度も見直さない——1ヶ月目の情報が、配属に入らない形です
• 理由を言わない——「決まったから」で渡す形は、本人の物語を奪います
• 「面倒を見られる人」で決める——バディの条件と、配属の条件は別の軸です。教えられる場所と、伸びる場所は、同じでありません。あなたの会社の配属に、3つの間違いは入っていませんか。
最初の1歩としての小さな実践
次に入る新人の配属を、理由3行で書いてみてください。
- 本人の側:希望・得意の形(面接記録から)
- 職場の側:求めている形(チームの絵から)
- 繋がる1行:この配属が、本人の3年目にどう繋がるか
3行が書けたら、その配属は説明できる形です。書けない行があれば、面接の記録か、チームの絵のどちらかが薄いサイン——埋めてから決めてください。配属の1枚は、受け入れ準備の中で、本人が1番読む紙です。