評価は人を動かすのか・仕事を動かすのか
評価は、何を動かすのでしょうか——人の心か、仕事そのものか。この問いは、評価制度の目的を決めます。この記事は、2つの動かすを解きます。
2つの説
- 「人を動かす」の説——評価は動機の装置です。点と段と昇給が心を動かし、人が頑張る、という見方です
- 「仕事を動かす」の説——評価は運用の装置です。測った行が動く——項目が仕事の定義になり、シートが宿の舵になる、という見方です
2つの説は、どちらも半分ずつ正しいです。ただ、重い方を間違えると、制度は疲れます。
実際に起きること——評価で人を動かすと
• 心は短期動きます——段が上がった日は頑張れます。3日目に戻ることもあります
• 動かない人も出ます——「頑張っても載らない」を学んだ人は、止まります
• 間違った走りも出ます——点のための走り。仕事が数字に寄ると、数字に載らない仕事が捨てられます
• 刺激は重くなります——心を持ち上げる評価は、毎回もっと強い刺激が要る形です
人を動かす装置としての評価は、燃費が悪いです。あなたの会社の評価は、心を刺激していますか。
実際に起きること——評価で仕事を動かすと
• 載った行が動きます——「引き継ぎノートに数字を書く」を項目に置くと、ノートに数字が載り始めます。項目は舵です
• 載らない行が消えます——だからこそ、支えた行・教えた行を意識して載せます
• 動いた行は、技になります——回した仕事は、その人の段に残ります。仕事は人を育てながら動きます
• 軽い——シートに1行置くと、その行は声を出し続けます
仕事を動かす装置としての評価は、置きっぱなしで効く形です。あなたの会社のシートは、どちらの装置として使われていますか。
3つ目の行——仕事だけでは動かない
ただ、仕事の行にも持ち主が要ります。
- 動く仕事には、担う人が要ります——誰がその行を持つかは、配置の装置です
- 担う人には、意味が要ります——「なぜこの行か」は、点でなく対話が運びます
- 3つの装置は別です——評価は仕事を動かし、対話は意味を動かし、配置は人を動かす。1つの装置に3つの役を載せると、どれも半分に動きます。あなたの会社では、3つの装置は分かれていますか
経営の数字と、個人の行
- 経営が押さえる数字(人件費率、稼働、リピート——『宿泊業の経営者が押さえるべき数字』)と、個人のシートの行は、別の階の行です
- 経営の数字を個人の点数に直接翻訳すると、人は数字の重さを背負います。翻訳の形は——経営課題→仕事の行(項目)→対話、の3段です。点は最後に置く行で、真ん中に置く行でありません
- 宿の行と個人の行を混ぜたシートは、両方の言葉を失います。あなたの会社のシートは、階を混ぜていませんか
評価と人的資本
- 人を動かす評価は、資本を使う装置です——毎期、心を刺激して回す形
- 仕事を動かす評価は、資本を積む装置です——技が行として残り、段として残ります
- 資本が育つ宿の形——仕事が行で動き、行が人に残り、人が次の道を選ぶ。あなたの会社の評価は、使う装置ですか、積む装置ですか
今日、メモに残しておきたいチェック点
自分の宿のシートを見て、1行で答えてください——「このシートは、人を動かそうとしているか、仕事を動かそうとしているか」。
- 点で心を動かそうとしているなら、仕事の行を1つ足します(動く行の名前)
- 仕事の行が動いたら、意味は対話で運びます(1on1の十5分——『1on1と評価面談はどこが違うのか』)
評価は仕事を動かし、人を動かすのは評価の隣の声です。あなたの会社の装置の分け方は、今日の1行から見直せます。