教育担当になると評価はどうなるのか
教育担当になると、仕事が変わります。ただ、評価は変わらないことが多い形です。教える役は重いのに、測られるのは自分の数字だけ——この記事は、その隙間の話です。
教育担当になると、何が変わるか
3つが変わります。
• 時間が減る——教える時間は、自分の仕事の時間から出ます
• 成果が変わる——自分の手で出す成果から、次の人の手で出る成果に変わります
• 見えない重さが載る——「教え方は合っているか」の心配、人の気持ちの世話。重さの半分は、紙に出ません
3つの変化は、どれも仕事の形を変えます。評価の紙が古い形のままなら、測っているのは変わってしまった人です。
評価が変わらないと、何が起きるか
3つの形が起きます。
• 担当が疲れる——自分の数字が落ちる+評価が下がる、の2段の形です。教えた時間が罰になる構造は、人を崩します
• 役が嫌われる——「あの役は損」は、職場の口に速く広がります。次の担当が手を挙げない形は、育成体制の穴になります
• 教えが裏の仕事になる——評価に載らない教えは、残業か好意に置かれます。好意は続く燃料ではありません
あなたの職場の教育担当は、3つの形のどれかに近くなっていませんか。
評価はどう変わるべきか——3つの行
• 教えた行——評価シートに「育てた」の1行を置きます。何人を、どの段まで届けたかが言葉になります
• 時間の行——教える時間をシフトに置く形です。評価されるのは「時間を割いた犠牲」でなく、「守られた時間の中で育てた形」です
• 成果の行——新人の段の変化は、担当の成果に半分載せます。独占でもゼロでもありません——育った人の手柄と、育てた人の手柄は、分けられる形で両方残ります
3つの行は、大きな制度でなくても置けます(下段の「小さな宿の形」)。あなたの会社の評価の紙に、3つの行はいくつ置けますか。
公平の話を置く
公平な評価は、説明できる評価です。「教育担当になると、評価はこうなる」——この1行が言える宿と、言えない宿では、役の重さが違います。
「評価されている実感がない」の声は、教える立場の人に1番集まりやすい形です。教える仕事は、数字に残りにくいからです。実感は、大きな褒美でなく「見られている」から出ます——3つの行は、「見ている」の紙の形です。
公平は2つあります——役の配り方の公平(1人に集めない——『動画マニュアルはどうつくるか』・『メンター制度は小さな宿でも必要か』の散らす作法)と、役の報いの公平(評価の行)。片方だけの公平は、回りにくいことがあります。
キャリアの側——教育担当は段の1つ
教育担当の役は、罰でなくキャリアの段です。
- 教える段——2年目、3年目の人の次の段です
- リーダーの段——研修を設計する側へ
- 見える道——「教育担当→リーダー→……」の道は、キャリアパスの見える化の1行です
道が見える宿では、教育担当は「押し付けられる役」でなく「目指す段」になります。役の意味は、置き方で変わります。あなたの職場の教育担当は、どちらの役ですか。
小さな宿の形——制度がなくても
5人、十人の宿に評価シートがないことは、普通です。制度がなくても、3つの行は置けます。
- 時間の行——教える時間をシフトに書く(3十分でも行です)
- 記録の行——「誰を、どの段まで」の1行を、月の紙に残す
- 言葉の行——みんなの前で、上の人が1言置く。「今月の新人が回っているのは、◯◯さんが教えた形です」
3つの行は、予算ゼロで置けます。あなたの会社では、いくつ置けますか。評価は制度からでなく、見ることから始まります。
今日、メモに残しておきたいチェック点
いま教育担当の人(または次の候補)のために、紙1枚に3つを書いてください。
- 時間——週にいくつ、教える時間を置くか
- 行——何を評価するか(教えた行・成果の行の案)
- 1言——みんなの前で、どう伝えるか
3つの行が書けたら、本人に見せてください。「あなたの役は、こう測られる」——見せた紙は、『評価されている実感がないという声』の実感の最初の形です。教育担当の隙間は、1枚の紙の3つの行から埋まります。あなたの職場の1枚は、今日書けます。