チームの目標が誰も覚えていない
「うちのチームの目標は?」——朝礼で聞いて、誰も答えられない。目標は紙にはあるが、頭にはない形です。この記事は、そのサインと読みを置きます。
見えるサイン——7つ
• 目標を聞くと、目線が泳ぐか、沈黙が返る
• 目標は年初のポスターにあり、貼られたあと読まれていない
• 目標の言葉が年に1度変わるが、誰もその変わりに気づいていない
• 「この仕事はなぜやるのか」の問いが、目標につながっていない
• 決定が目標とつながっていない——目標は「リピートの客」を言うが、決定は「新しい客の数」だけを読む
• 新人が3ヶ月経っても、目標を聞いていない
• リーダー自身も、目標を紙なしで言えないこともあります
7つのサインは、チームのやる気の印でなく、目標の通りの素材です。あなたのチームには、いくつ見えますか。
なぜ、目標は消えるのか——3つの仕組み
- 上だけの製造——現場が参加しないで生まれた目標は、「誰かの目標」です。自分の目標にはなりません
- 翻訳の不在——抽象の目標(「顧客満足の実現」)が、現場の言葉(「今月のリピートは何組か」)に訳されていない形です
- 読み返しの不在——会議でも、評価でも、振り返りでも、目標が読み返されない形です。読まれない行は、消えます。あなたのチームの目標は、どの仕組みで消えていますか
2つのチームの物語
典型的な2つのチームを並べます(※複数の宿泊施設での実態をもとに再構成した事例です)。
- 1の宿(ホテル)——目標は本部で決まり、休憩室にポスターで貼られました——「顧客満足9割の実現!」。3ヶ月のあと、スタッフに聞くと、半分以上が「そういうのあった?」でした。1人が言いました——「ポスターは壁紙」。目標は間違っていませんでした。ただし、翻訳も、読み返しもされなかったのです
- 別の宿(旅館)——目標は1行でした——「客の3人の1人が、また戻る宿」。リーダーは月の会議に、この1行を毎回のアジェンダにしました——今月のリピートは何割か、その客に何をしたか、次の月に何を置くか。半年のあと、新人も言えました——「うちの目標はリピートでしょ。先月は35パーセントだった」。目標は、毎月読まれて、生きていました
差は、目標を壁に貼ったか、机に載せたかです。あなたのチームの目標は、今どちらにありますか。
自館の足元を点検する4つの論点
- 自分のチームの目標を、紙なしで言えるか——自分の言葉で1文にできますか
- 目標が最後に会議で読まれたのは、いつか——日付を言えますか
- 今月の決定のうち、目標につながるものはいくつか——3つ挙げられますか
- 1番新しい新人が、目標を言えるか——言えなければ、誰が伝える役ですか
サインから行へ——3つの段
- 訳す——目標を現場の言葉に訳し直します。数と、行の見える文です(「満足」でなく「戻った組の数」)
- 載せる——月の会議のアジェンダに目標の1行を載せます。読まれる行だけが、残ります
- 渡す——目標を語る役を、現場の人に渡します。語れた目標は、その人のものになります。あなたの3つの段は、どれから始めますか
職場の1歩を踏み出すためのヒント
明日の朝礼で、1つだけ聞いてください——「うちのチームの目標、言える人いる?」。
- 沈黙が返っても、それは失敗でなく、読みの最初のページです
- 沈黙のあとに、あなたの言葉でなく、皆の言葉で目標を作り直せます
あなたのチームの明日の沈黙は、何を読みますか。