「外国人スタッフだから」という言い方
「外国人スタッフだから、日本語がうまくない」「外国人スタッフだから、続かない」。この言い方を、あなたの職場で聞いたことはないでしょうか。自分も使ったことが、あるかもしれません。この記事は、この1言を職場のサインとして読みます。
見えるもの:1言が出る場所を観察する
「だから」の1言は、決まった場所に出ます。今週の様子を思い出してください。
- 申し送りの中で(「あの子は外国人だから、そこは見ておいて」)
- 会議の理由づけで(「売上が伸びないのは、外国人が多いから」)
- 休憩室の冗談で(笑いの形に包まれて出てくる)
- 募集の条件で(「外国人はちょっと」という断り方)
1言は、悪意から出るとは限りません。考えの近道として、口が楽なほうへ出ることが多いです。ただ、出た1言は、聞いた人と職場の形に残ります。
背景の候補:なぜこの言い方が出るのか
候補1:ラベルは、考える近道
目の前の1人を見るには、質問と時間が要ります。「外国人だから」で括ると、見なくてよくなります。脳の省略の形ですが、省略された側には実体があります。
候補2:違いを表す言葉を持っていない
「読み書きに時間がかかる」「接客の前提が違う」——具体的な言葉がない職場では、国籍が代理の言葉になります。言葉の穴を、ラベルが埋めている形です。
候補3:不安が処理されていない
受け入れに自信がない職場では、不安が「だから」の形に出ることがあります。不安は、準備と言葉で小さくできます。ラベルは、不安の逃げ道です。
候補4:上の言葉が、職場の方言になっている
支配人や経営者がこの言い方を使う職場では、現場も同じ言葉を使います。方言は、上から広がります。逆も同じで、上の言葉が変わると、現場の言葉も変わります。
1言が重い理由:3つのコスト
コスト1:個人の理由が消える
「続かないのは外国人だから」で止まると、本当の理由——シフトの重さ、住居、3年後の絵がない——が調べられません。ラベルは問題の蓋になります。蓋をされた問題は、次の人が辞めるときに、同じ形で戻ってきます。
コスト2:本人に届く
「外国人だから」で語られていることは、本人に届きます。直接でなくても、空気として届きます。届いた人は、「自分は個人として見られていない」と感じます。公平の形は、評価の紙より先に、日々の1言で崩れます。
コスト3:職場の目が狭くなる
リーダーが「だから」で結論すると、質問しなくなります。「この人は何が重いのか」の問いが止まった職場では、日本人スタッフのサインも見落とされます。ラベルは、外国人のためでなく、見る側の目を曇らせます。
かけてみる1言:ラベルを事実に戻す
「だから」が出たら、対話で事実に戻します。
- 人から聞いたとき:「具体的に、何を見てそう思いましたか」(ラベルの後ろの事実を聞く)
- 会議で出たとき:「国籍は置いて、この人に今何が必要か、で考え直しましょう」
- 自分の口から出たとき:「どの部分が言葉の話で、どの部分が仕事の話だろう」(自分で分ける)
3つとも、相手を責める形でなく、言葉を1段深くする形です。事実が出たら、直せるものが見えます。
言い方を変える4つの形
• ラベルを事実の文に置き換える:「日本語がうまくない」→「漢字の書類は読むのに時間がかかる。口頭の指示は通る」。置き換えた文には、直せる点が入っています
• 申し送りの形を変える:理由の欄に国籍を書かない形にする
• 呼び方を名前にする:「外国人の子」でなく名前で呼ぶ。呼び方は、扱いの形を作ります
• 上の言葉を先に直す:リーダーと支配人が自分の「だから」を数える。上の1言が変わると、職場の方言は変わります
日本人スタッフにも、同じ形がある
「若いから」「パートだから」「あの部署だから」——ラベルの形は、国籍だけのものではありません。ラベルを止める形は、誰にでも公平に効きます。あなたの職場で「だから」を数えると、国籍以外のラベルも見つかるはずです。見つけた数だけ、職場の目は広くなります。
今週から現場で試せるアプローチ
今日1日だけ、職場の「外国人スタッフだから」(「ベトナムの人だから」などの形も含めて)を、自分の口と耳で数えてみてください。
- ゼロなら、あなたの職場の言葉は軽いです。形をチームで褒めてください
- 1つでも出たら、その1言を事実の文に置き換えて、紙に書いてみてください
- 置き換えた文には、直せる点が1つ入っているはずです
置き換えの数が、職場の方言が変わる歩数です。ラベルは、数の意識から薄くなります。