朝礼・申し送りの設計
朝礼と申し送りは、日に2回、毎日起きます。毎日起きるから、悪い設計は毎日2回の値段で、よい設計は毎日2回の支えになります。この記事は、その「2回」の設計の仕方です。
2つの別物——朝礼と申し送り
- 朝礼は「今日」の向き合わせです——皆の顔、今日の客、今日の力点、1つの感謝
- 申し送りは「昨日→今日」のバトンです——客の状態、終わらない行、注意の事
- 2つを混ぜると、どちらも曖昧になります。向きが違います——朝礼は皆へ、申し送りは次の人へです
あなたの職場の「2回」は、分かれていますか。
朝礼の設計——4行
• 今日の客——数、特徴、注意の客。1分です
• 今日の仕事——宴会、チェックアウト、点検、研修。1分です
• 今日の力点——1つのこと。ルールでも改善でも、1つだけです
• 今日の感謝——1人の、昨日のよかった行。3十分です
合わせて3〜5分。十分を超える朝礼は、仕事そのものになり始めることがあります。
申し送りの設計——3行
• 客の行——アレルギー、好み、約束。「記憶にあります」は、申し送りでありません
• 仕事の行——終わっていないこと、次の行、頼まれたこと
• 注意の行——設備、人、予定の変更。「言ったはず」の種は、ここにあります
紙(か板)に書きます。そして、朝礼では書いてあることだけを読み上げる——読まれる申し送りだけが、書かれる申し送りになります。
設計の3原則
- 立つか座るか——立ちは短く、座りは深く。朝礼は立ち、申し送りは座りのこともあります
- 回る司会——話す人が、見る人です。司会が回ると、朝礼は「皆の物」になります
- 不在の声も届く——夜勤と休みの人の情報は、紙で届きます。公平は「いないから外れない」の形です
2つの職場の物語
典型的な2つを並べます(※複数の宿泊施設での実態をもとに再構成した事例です)。
- 1の宿(旅館)——朝礼は2十分で、支配人が連絡を読み上げる形でした。スタッフは下を向いて立ち、夜勤の人は朝礼を聞かずに帰っていました。新しいリーダーは4行・5分に変え、司会を前の日の人の順番にしました。連絡はノートに移りました。3ヶ月のあと、1人が言いました——「朝礼が、初めて今日の話になった」。夜勤の人の情報は「夜勤のカード」で届くようになり、不在の声が朝の4行に載りました
- 別の宿(ホテル)——申し送りがなく、口頭の「お疲れ様」でした。シフトの入れ替わりに、間違いが集中していました。リーダーは3行のカードをフロントに置き、「カードに書いてあることだけを読む」の規則を置きました。最初の週、カードは白紙でした——口頭で足りたからです。リーダーは叱らず、白紙を朝礼で読みました——「昨日のカードは白紙。送るものがなかった、の意味です」。2週のあと、カードは埋まり始めました。設計は紙でなく、「読まれる規則」にありました
差は、時間を設計したか、「読まれる」を設計したかです。あなたの職場の2回は、どちらから変えますか。
自館の現状を振り返る4つの視点
- 自分の職場の朝礼は、何分で、何行ですか
- 申し送りは、書かれていますか、口ですか
- 夜勤と休みの人の声は、届いていますか
- 最後の朝礼で、1番長く話したのは誰ですか
設計から運用へ——3つの段
- 先に、行の数を決める——朝礼は4行、申し送りは3行。少ない行は、続きます
- 司会を回す——毎日、人が変わります。話す人が、見る人になります
- 書いてあることだけを読む——読まれる行が、書かれる行になります。運用の鍵は、この1文です
現場の負担を減らす最初の1手
今日の朝礼を4行・5分で、今日の申し送りを3行・紙で行ってください。
- 客の行、仕事の行、力点の行、感謝の行——4行で今日が向き合います
- 設計は、明日からでなく、今日の2回から変わります
あなたの今日の4行には、何が載りますか。