外国人材 / GLOBAL HR制度・在留資格
SEARCH対象: 経営者・支配人

外国人スタッフを受け入れる前に確認したいこと

採用を決めたあとに、「そういえば、何か手続きがあったような」となることがあります。あとで困らないために、受け入れの前に見る場所を並べます。


確認は3つの層に分かれる

受け入れ前の確認は、3つの層で見ると整理できます。

  • 層1:本人の資格(その人が、その仕事をしてよいか)
  • 層2:宿の義務(雇う側が、何をしなければならないか)
  • 層3:働く環境(入ったあとに、困らない形があるか)

層1と層2は、怠ると法的な問題に、層3は辞める問題になります。3つとも、入る前に見るのが軽い形です。

あなたの宿でいま採用が進んでいる人がいるなら、3つの層を順に見てください。いない宿でも、次に動くときのために形だけ覚えておけます。

層1:本人の資格を確認する

在留カードの確認は不可欠です。 見るのは4つです。

• 在留資格:仕事の種類と合っているか

• 在留期間:いつまでか

• 資格外活動許可:留学生なら「許可」の記載

• カードの有効期間:切れていないか

資格と仕事の組み合わせで、特に確認が要る形を3つ挙げます。

  • 留学生のアルバイト:週28時間の線。シフト表で管理できる形が要ります
  • 技人国(技術・人文知識・国際業務):清掃や配膳だけの配属は、資格と結びつきが弱いと見られる可能性があります。仕事の内容を書き出してから配属を決めます
  • 特定技能:分野が「宿泊業」か。他分野の資格で宿の現場仕事をさせることはできません

「日本人と同じように働ける人だと思った」は、確認の代わりになりません。在留カードは、雇う前に見るものです。記録を残すと、あとからの確認が楽になります。

層2:宿の義務を確認する

1. 外国人雇用状況の届出

外国人を雇ったとき(および辞めたとき)に、ハローワークへ届出が必要です。特別永住者と「外交」「公用」を除き、雇った外国人は対象になります。届出を怠ると過料の対象になることがあります。様式はハローワークのサイトにあり、雇用保険の被保険者かどうかで用紙が分かれます。

2. 労働条件の明示

日本人と同じく、労働条件通知書を渡します。特定技能では、母語や英語で内容を理解できる形が求められます。日本語だけの紙にサインをもらう形では、明示したことにならない可能性があります。

3. 社会保険・労働保険

要件を満たせば、外国人も加入します。「短期だから入れない」は、要件次第です。在留期間や週の所定労働時間から判断し、迷うときは社会保険労務士や年金事務所に聞けます。

4. 特定技能1号なら支援計画

受け入れ前の説明、住居の確保、生活オリエンテーションなど。自分でやるか登録支援機関に委託するかを、雇う前に決めます。

この4つのうち、あなたの宿で担当者が決まっているものはどれでしょうか。「誰も決めていない」があるなら、そこが入社日のつまずきになります。

層3:働く環境を確認する

層3は、法律の話ではありません。入った人が困らない形の話です。4つあります。

1. 住む場所

通勤圏に住めるか。寮がない場合、アパートを借りる流れ(連帯保証人、初期費用)を誰が助けるか。住居は、入社前に決まっていないと初日に来られないことがあります。

2. 言葉の橋

最初の指示を誰がどう伝えるか。やさしい日本語のマニュアルがあるか。通訳役が特定の1人に寄りかかっていないか。

3. 教える人

教育係が決まっているか。決まっていないと、「見ながら覚えて」の形になります。日本語が母語でない人には、この形が特に重くなります。

4. 相談の窓口

仕事以外の困りごと(病院、役所、銀行)を、誰に聞けるか。窓口がないと、困りごとが黙って溜まります。溜まったものは、ある日、退職の形で見えます。

4つは、受け入れ準備チェックリストで1枚にできます。入社日から逆算して、いつまでに何をやるかが並ぶ形です。

確認しないまま受け入れると何が起きるか

層ごとの失敗の形を並べます。どれも、実際の現場で起きやすい形です。

  • 層1を見ない → 資格外活動で働かせていた、資格と仕事があっていなかった、という状態にあとから気づく
  • 層2を見ない → 届出漏れ、労働条件の行き違いでトラブル
  • 層3を見ない → 3ヶ月で「思っていたのと違う」と辞められる

3つ目の形がいちばん多く、層1と層2が完璧でも起きます。法の確認だけでは、人は残らないからです。

逆に、層3まで見て受け入れた宿では、最初の定着が変わることがあります。次の人が紹介で来ることもあります。

確認のタイミング

4つの時期に分けます。

| 時期 | 見るもの |

|---|---|

| 求人を出す前 | どの在留資格の人を想定するか、仕事の内容 |

| 面接の時 | 在留カード(資格・期間・資格外活動) |

| 内定〜入社前 | 届出の準備、労働条件の明示、住居、支援計画 |

| 入社初日 | 生活オリエンテーション、教育係の紹介、相談窓口 |

面接で在留カードを見るのは、失礼なことではありません。「雇用前に確認が必要なので、見せていただけますか」の1言で足ります。本人も制度として理解できます。

今週から現場で試せるアプローチ

3つの層を、紙に3行で書いてみてください。 各行に、あなたの宿の「いまの状態」を1言添えます。

  • 層1:在留カードの確認 → 「見ている/いない」
  • 層2:届出・労働条件・保険・支援計画 → 「担当が決まっている/いない」
  • 層3:住居・言葉・教育係・相談窓口 → 「用意がある/ない」

「ない」と書いた行が、受け入れの前に埋める穴です。1行でも埋まれば、次の採用は軽くなります。 全部「ない」なら、『外国人スタッフを受け入れる準備チェックリスト』のチェックリストを1枚にしてください。穴は順番に埋まります。



NEXT READ

GH004外国人スタッフを受け入れる準備チェックリスト→ GH002宿泊業で働く外国人の在留資格にはどんな種類があるか→ GH020外国人スタッフの労務管理で確認しておきたいこと→