新人の受け入れ担当(バディ)をどう決めるか
「新人の面倒、誰が見る?」——手が空いている人で決めると、3ヶ月目に歪みが出ます。受け入れ担当(バディ)の選び方は、新人の最初の3ヶ月の形を決めます。
バディは、教える人でなく「最初の窓口」
まず、役割の線を引きます。
- OJTの指導担当:仕事を教える人。技術の窓口
- バディ:質問してよい人。生活と小さな疑問の窓口——「休憩はどこで取りますか」「この備品はどこにありますか」「誰に聞けばよいですか」
バディは、先生でなく隣の人です。新人が最初に名前を覚える顔で、困ったときに思い浮かぶ顔です。あなたの職場では、この窓口がいま誰になっていますか。
選ぶ4つの条件
条件1:自分の仕事が、まず回っている人
トップパフォーマーである必要はありません。自分の仕事に少し余裕がある人——余裕がない人は、新人の質問が重さになります。
条件2:入社1年〜3年の人
新人に目線が近い人は、自分がつまずいた場所を覚えています。ベテランが悪い形でなく、遠い記憶は「なぜ分からないのか」が見えにくいことがあります。もちろん、人によります——2年目でも向かない人も、十年目で向く人もいます。
条件3:質問を、否定から入らない人
「それも知らないの?」が1度出ると、新人の質問は止まります。聞く顔を持っている人を選んでください。過去に新人から質問が多かった人は、目安の1つです。
条件4:シフトが新人と重なる人
会う時間が少ないバディは、窓口の形になりません。重なる日数を見て決めてください。
4つのうち1つでも外すと、バディは名前だけの役割になります。あなたの職場の候補を、4つの条件で数えてみてください。
選ばないほうがよい3つの形
形1:手が空いている人
「暇そうだから」で選ぶと、本人に報われない重さが乗ります。空いていることと、向いていることは、別の軸です。
形2:同じ人に寄り続ける
優しい人に集中する形は、通訳の集中と同じです。集中は、その人の働き方を削ります。回す形にしてください。
形3:本人に聞かずに決める
「あなた、新人見ておいて」——頼まれた形と、押し付けられた形は、新人への接し方に出ます。相談の形で頼むのが、最初の作法です。
頼み方の3行
選ばれた人に、3行で渡します。
• 役割:「新人のAさんの、最初の窓口をお願いします。仕事を教えるのは私です」
• 期間:「1ヶ月(または3ヶ月)です。終わりに、また相談します」
• 時間:「1日十5分、シフトに入れます。重なった時間でよいです」
3行がない頼みは、「まあ見ておいて」になり、3ヶ月目に「なぜ自分だけ」になります。バディは仕事です。シフトの1行に入れてください。
決めたあとの支え方
バディに任せて終わり、にしない形です。
- 週に1度、5分:バディに聞く——「新人はどうですか」「あなた自身は重くないですか」
- 最終窓口はリーダー:バディは窓口で、受け皿でありません。重い相談は、リーダーが受ける線を最初に引いておきます
- 途中で変えてよい:相性が合わないときは、交代の形を用意します。新人にもバディにも、相性の問題はあります
支えのないバディは、孤立した窓口になります。孤立した窓口は、半年で機能しなくなります。
期間と、回す形
バディの期間は、1ヶ月〜3ヶ月が目安です。期間が終わったら、2つの形のどちらかにします。
- 次の人にバトン(回す形)
- 距離を1段離す(窓口は残すが、シフトの1行は外す)
回す形は、教える人が毎回違う形とは違います。1人が窓口として固定され、時々交代する——新人の安心と、負担の分散の両方を取る形です。小さな宿で人が少ないときは、バディと指導担当を兼ねる形もありますが、そのときは時間の2行(バディ十5分、指導3十分)を分けてシフトに入れてください。
今日から見直せる業務のポイント
次に入る新人を思い浮かべて、バディの候補を3人、紙に書いてみてください。
4つの条件(仕事が回っている/1年〜3年/否定から入らない/シフトが重なる)で、名前の横に丸を数えます。丸が多い人から、相談の形で頼んでみてください。
3人も書けないなら、それは職場の層のサインです。まずは次の人を、4つの条件で見る癖から始めてください。