外国人材 / GLOBAL HR制度・在留資格
KNOWLEDGE対象: 人事担当者

宿泊業で働く外国人の在留資格にはどんな種類があるか

「外国人を採りたい」と思っても、在留資格の名前が並ぶと、どれがどの道かわからなくなります。宿に関わる資格は、実質4つの道に分かれます。道ごとに、できる仕事と、宿の役割が違います。


4つの道を見取り図にする

宿泊業で働く外国人の在留資格は、大きく4つに分けて見ると整理できます。

| 道 | 在留資格 | どんな人が来るか |

|---|---|---|

| 1. 技能の道 | 特定技能1号・2号 | 試験に合格した現場人材 |

| 2. 実習の道 | 技能実習 | 監理団体などを通じて来る実習生 |

| 3. 専門の道 | 技術・人文知識・国際業務など | 大学等で学んだ専門人材 |

| 4. 身分の道 | 永住者・定住者・日本人の配偶者等・留学生(資格外活動) | 在留の根拠が仕事以外にある人 |

4つの道は、宿が負う役割の重さが違います。道を選ぶ前に、この違いを知っておくと、あとから「そんなはずでは」が減ります。

あなたの宿がいま探している人は、現場の手でしょうか、専門の役割でしょうか、それとも地域に住んでいる人でしょうか。答えによって、見る道が変わります。

道1:特定技能(現場の主力)

前の記事で見た道です。要点だけ繰り返します。

  • 技能試験+日本語試験(または技能実習2号からの移行)
  • 1号は通算5年、2号は上限なし
  • 報酬は日本人と同等以上、直接雇用が原則
  • 1号では宿に支援計画の義務がある

宿の日常業務(フロント、接客、清掃、レストラン)を担う道です。現場の人手を探すなら、ここが中心になります。

道2:技能実習(実習生)

技能実習は、技能移転を目的とした制度です。労働力の確保が目的の特定技能とは、出発点が違います。

宿に関わる形はこうです。

  • 監理団体(事業協同組合など)を通じて受け入れる
  • 実習計画を作り、認定を受ける
  • 実習生には、実習計画に沿った技能を身につけてもらう
  • 団体監理型では、監理団体への費用が発生する

実務で知っておきたいのは、技能実習制度は新しい制度(育成就労)への移行が決まっていることです。移行の時期と中身は段階的に変わるので、最新は出入国在留管理庁や外国人技能実習機構の案内を確認してください。

実習2号を良好に修了した人は、特定技能1号に移行できます。実習で来た人が、特定技能で残る流れは、宿の定着の道の1つです。

道3:技術・人文知識・国際業務(専門人材)

略して「技人国」と呼ばれることが多い資格です。大学や専門学校で学んだ内容と結びついた仕事に就きます。

宿での例はこうです。

  • 海外向けのマーケティング、SNS運用
  • 通訳・翻訳を伴う企画業務
  • ITシステムの担当
  • 経営企画の補助

注意点が1つあります。客室清掃や配膳だけの仕事は、この資格の対象になりにくいとされています。単純作業が中心だと、資格と仕事の結びつきが弱いと判断される可能性があります。

「外国人なら何でもできる」ではありません。資格ごとに、できる仕事の範囲が決まっています。範囲外の仕事をさせると、宿も本人も困る形になります。

道4:身分系の資格と留学生

在留の根拠が仕事以外にある人たちです。

永住者・定住者・日本人の配偶者等

  • 就労の制限がありません。宿のどんな仕事にも就けます
  • 地域に住んでいることが多く、通勤圏から探せます
  • 支援計画の義務もありません(特定技能1号と違う点)

留学生(資格外活動)

  • アルバイトは週28時間以内(在留カード裏面の資格外活動許可で確認)
  • 学校の長期休業中は、1日8時間まで認められる形があります
  • 卒業後の進路で、道1や道3に移ることがあります

地方の宿では、留学生のアルバイトが入口になって、卒業後に特定技能で正式採用という流れが起きることがあります。週28時間の線は超えられないので、シフトの管理が宿の仕事になります。

確認の実務:在留カードのどこを見るか

どの道で来た人でも、雇う前に在留カードを確認します。見る場所は4つです。

• 在留資格:上の4つの道のどれか

• 在留期間:いつまでか。更新の時期が近いと、入社後の手続きに関わります

• 資格外活動許可:留学生の場合、「許可」の記載があるか

• カードの有効期間:切れていないか

在留カードの見本は出入国在留管理庁のサイトにあります。偽造カードの事例もあるので、怪しいときは法務省のアプリや電話で在留情報を確認できます。確認は失礼なことではありません。本人を守る確認でもあります。

道を選ぶ順番

4つの道を、宿の状態に当てはめる順番はこうです。

• まず地域を見る:通勤圏に道4の人がいるか(ハローワーク、地域の日本語学校、留学生)

• 現場の不足が続くなら道1:特定技能の試験日程から逆算

• 実習の受け入れ経験があるなら道2→道1:移行の道を確認

• 専門の役割が空いているなら道3:仕事の内容を先に定義

この順番には理由があります。道4と道2はすでに日本にいる人で、入国手続きが軽い形です。道1は海外からの場合は時間がかかります。足りない時期までに人が来るか、で選べる道が変わります。

無理なく続けられる現場の工夫

在留カードの見本を、出入国在留管理庁のサイトで1度開いてみてください。 4つの確認場所(在留資格・在留期間・資格外活動・有効期間)を実物の見本で見ておくと、いざというときに迷いません。

次に、いま宿で働いている外国人スタッフ(いれば)の在留資格を確認してみてください。どの道の人かがわかると、更新の時期と、次に何が必要かが見えます。

まだ外国人スタッフがない宿は、上の「道を選ぶ順番」の1から始めてください。地域の日本語学校に1枚、電話をするだけで、道4の入り口が見えることがあります。



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