Learning / 教育マニュアル・教材
INSIGHT対象: 経営者・支配人

eラーニングは小さな宿でも使えるのか

「eラーニング」——大きなチェーンにはあり、十人の宿にはないように見える道具です。小さな宿に要るのか、要らないのか。この記事は、答えでなく比べる枠を置きます。


問いの置き方を変える

「eラーニングを使うか」は、道具から入る問いです。道具から入ると、カタログの比較で終わります。

置き換えると、問いは2つになります。

  • 何を解決したいのか——教える時間の不足か、内容のばらつか、記録の無しか
  • どの道具が合うのか——画面か、紙か、人か

eラーニングは、3つの道具(画面・紙・人)のうち画面の形です。画面が効く問題と、効かない問題があります。

画面が効く問題:4つ

• 同じ内容を、多くの人に届ける——拠点が多い、新人が多い。1度作れば、届ける費用が人数に比例しません

• 記録を残す——「誰が、いつ、何を学んだか」が画面の中に残ります。安全と法令の学びで重い形です

• 繰り返し学べる——シフトの谷間に、自分の速度で。人相手の教えでは、繰り返すたびに人が要ります

• 答えが決まっている内容——安全のルール、設備の操作、法令。正解が1つの内容は、画面と相性がよいです

4つのうち、あなたの宿の問題はいくつ画面の形をしていますか。

画面が効かない問題:4つ

• 手が覚える仕事——ベッドメイク、お膳の運び、お辞儀の角度。体で覚える学びは、画面でなく人の前で起きます(OJT——『OJTとは何か・旅館でどう回すか』)

• 「この宿」のやり方——外の教材は、あなたの宿の接客も理念も含みません。含めるには、結局あなたの宿が作ります

• 人間関係——新人の最初の段は「名前で呼ばれること」です。画面は名前を呼びません

• 1人か2人の学び手——システムのコストは、学ぶ人が少ないほど1人分が重くなります

4つのうち、あなたの宿の問題はいくつ人の形をしていますか。

小さな宿の第3の道

「システムを入れるか、何も無いか」でありません。間に軽い形があります。

  • 動画1本と確認の紙1枚——スマホで撮った3分の動画を共有の場所に置き、見たあと1枚の紙で確かめる。これは、もうeラーニングの形です
  • 敵は「システムが無いこと」でなく「教材が無いこと」——読まれないマニュアルの問題は、システムの有無でなく、使える教材の有無です
  • 記録は紙でも残ります。日付と名前の1行で、画面と同じ仕事ができます

十人の宿では、この軽い形で足りることもあります。足りなくなったサイン——動画が増えた、探す時間が伸びた、記録が散った——が見えてから、システムの話に入れば遅くありません。

投資判断の3つの問い

重いシステムを考える前に、3つの問いに答えてください。

• 同じ内容を、年に3人以上に届けていますか——届ける人数が規模を決めます

• 記録が要りますか——安全・法令の学びでは、要る形です

• 学ぶ仕事は、画面の仕事ですか、体の仕事ですか——体の仕事が主なら、投資の先はOJTの時間です

3つの答えが「はい」なら、軽いシステムは候補になります。1つでも「いいえ」なら、動画と紙とOJTが先です。

働き方の線:画面の学びの時間

最後に、Well-being の線を1つ置きます。

eラーニングには「隙間に学べる」軽さがあります。ただ、その軽さが休みの浸食になる形があります——「見ておいてね」が、休みの中、家に帰ったあとに置かれる形です。

線は1つです。学びは労働の時間の中に置く。画面の学びも、人の学びも、同じ線の上にあります。時間を置かない学びは、働き方の改善でなく、持ち出しのお願いです。あなたの宿の「見ておいてね」は、どの時間の中に置かれていますか。

明日の朝礼や引き継ぎで試せること

システムの前に、スマホで3分の動画を1本撮ってください。

  • 1番教えたい仕事を1つ選びます
  • 手を映して、ゆっくり1回やってみせます
  • 次の新人に、谷の時間に見せてください

その1本が回ったら——見られたら、質問が出たら、手が動いたら——あなたの宿のeラーニングは始まっています。道具の比較は、1本の動画の後で構いません。



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