教育と評価をどうつなげるか
学んでも、評価に映らない。評価しても、学びに使われない。2つの線が切れていると、人は学ぶのをやめることがあります。この記事は、2つの線のつなぎ方です。
切れていると、何が起きるか
3つの形が起きます。
• 学びが報われない——多能工になっても、資格を取っても、評価と配置が変わらない形。手が挙がらなくなります
• 評価が儀式になる——何を測ったか分からないまま数字が付く形。「評価されている実感がない」の声は、ここから出ます
• 教育が散る——「なぜ学ぶのか」の答えがない研修は、行事になります
3つは、能力の問題でなく線の切れの問題です。あなたの会社は、3つの形のどれに近いですか。線は、今日からつなげられます。
つなぎ方の1:スキルでつなぐ
スキルの1覧を、評価の紙に載せます。
- 増えた段を1期ごとの行に置く——「今期、1人でできるになった仕事」
- 教えた側の行も置く——人を育てた形は、評価の項です
- 表は部署ごとに1枚で足ります。重いシステムは要りません
つなぎ方の2:段階でつなぐ
キャリアの段階ごとに、学ぶことも、評価の項も違います。
| 段階 | 学ぶこと | 評価の行 |
|---|---|---|
| 1年目 | 接客の基本十項目 | 十項目の段 |
| 2〜3年目 | 多能工、後輩への同行 | 増えた仕事、教えた回数 |
| リーダー | 研修の設計、線の引き方 | チームの段の底 |
同じ評価シートを全段階に使う形は、1年目には重く、リーダーには軽くなります。段階の行は、1枚の紙の3段で置けます。あなたの会社のシートは、いくつの段になっていますか。
つなぎ方の3:対話でつなぐ
評価の面談は、点数を告げる場でなく、学びの対話の場にもなります。
面談に3つの問を置きます。
• 今期、何ができるようになりましたか(段の確認)
• 何を学ぶのに、何が足りませんでしたか(形の穴——時間の穴、台本の穴、相手の穴)
• 次に何を学びたいですか(次の段の1行)
2番目の問が、1番置かれない問です。答えは、人事と経営への宿題になります——教育と評価の線は、この問で両方向につながります。
つながないもの:3つの線
• 受講の回数を点数にしない——「研修に出た」と「できる」は別のものです。入力でなく出力(段の変化)を評価します
• 競争にしない——学びを人の間の順位にすると、ゆっくり学ぶ人が崩れます。つながりは「その人の成長の形」で測ります
• 全部を点数にしない——気持ちの形、働き方の形(休みの取り方、相談の仕方)は、評価シートに乗せない項です。対話の側に置きます
3つの線は、公平の線です。公平な評価は、説明できる評価です——何を測り、何を測らないかを言葉にできる形。あなたの会社の評価は、測らない項が言葉になっていますか。
外国人スタッフと同じシート
別の評価シートは作らない形が基本です。同じ基準、違う道具——評価の言葉をやさしい日本語にする、面談に考える時間を置く、書ける形を添える。基準を下げたシートは、公平でなく別の線路です。
始める4つのステップ
• 1枚に書く:いま評価している項を、紙に書き出す
• 1行を足す:「今期、できるようになった仕事」の1行を評価シートに置く
• 1問を足す:面談に「次に何を学びたいですか」を置く
• 年に1度、突き合わせる:教育の計画と評価シートを並べて、切れた線を探します
4つのステップは、制度の変更でなく紙の行から始められます。あなたの会社では、今月いくつ始められますか。
リーダーが今日からできる小さな工夫
あなたの会社の評価シートを1枚開いて、「学びの行」を探してみてください。
- 行があるなら——面談で、その行が実際に読まれているかを確認します
- 行がないなら——「今期、できるようになった仕事」の1行の案を書きます
- シートがないなら——1枚の紙に、段の表を書くところからです
教育と評価のつながりは、制度でなく1行から始まります。1行のある宿では、学びは報われる形になり、評価は読まれる形になります。