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外国人スタッフの日本語学習をどう支援するか

「日本語をもっと勉強してほしい」。宿の側はそう思います。本人も、多くの場合、そう思っています。すれ違うのは、思っている場所です。本人に足りないのは気持ちでなく、時間と方法のことがあります。


支援すると、4つの場所に効く

日本語の学習支援は、親切の話だけではありません。効く場所は4つです。

  • 仕事が軽くなる:指示が届く、申し送りが読める
  • 道の幅が広がる:特定技能2号、資格の変更、昇給の段
  • 生活が回る:役所の手紙、病院、口座の手続き
  • 定着につながる:成長が見える職場は続きやすい

4つとも宿側の利益でもあります。本人の成長と宿の運営が同じ方向を向く、数少ない場所です。

あなたの宿で、日本語が原因で重くなっている仕事はどれでしょうか。1つ思い浮かべば、支援の的がそこに決まります。

支援は3つの形に分かれる

形1:時間を渡す

いちばん重い壁は、時間がないことです。仕事と生活の往復では、勉強は入りません。

渡せる時間の形は4つです。

  • シフトの中に、15分の学習時間を入れる(週に1度でも形になります)
  • 試験の日は、休みを取る(有給でも、シフトの調整でも)
  • 繁忙期に「勉強しなくてよい期間」を明示する(罪悪感なく休めます)
  • 勤務時間外の勉強を求めない(求めると、学習が嫌なものになります)

4つ目は、消極的に見えていちばん大事な線です。時間外の強制は、関係を冷やします。あなたの宿では、この4つのうちいくつ渡せていますか。

形2:お金と情報を渡す

勉強の方法は、本人が自力で見つける形だと重くなります。宿が渡せるものは3つです。

  • 情報の1枚:近くの日本語教室(自治体、国際交流協会、ボランティア団体)、オンライン教材、試験の日程。1枚にすると、本人は探す時間を勉強に使えます
  • 教材:出入国在留管理庁や国際交流基金が出している無料の日本語教材があります。仕事の場面に近いものを選べます
  • 費用:試験の受験料、教材費。全部でなくても、合格したら半分出るなどの形にできます

費用の支援は、金額の大小より「宿が応援している」の形として効きます。

形3:使う場所を渡す

学習は、使う場所があると続きます。仕事の中にある「使える場面」を3つ挙げます。

  • 朝礼の1言:今日の予定を1言で言う役を回す
  • 申し送りの読み上げ:書いたものを声に出して読む
  • 接客の単語カード:仕事で使う言い回しを5つ、カードにして練習する

3つとも、業務の中でできます。業務の中にあると、勉強が「仕事の1部」になります。別物の勉強は、忙しくなると止まります。

段階で支援の形を変える

人の日本語の段階で、支援の形は3つに分かれます。

| 段階 | 本人の目標の例 | 宿の支援の形 |

|---|---|---|

| 初級(生活の言葉) | 仕事の指示がわかる | 仕事の単語、やさしい日本語のマニュアル、毎日の短い練習 |

| 中級(資格を目指す) | JLPT N3・N2、特定技能2号 | 試験の情報、日の休み、教材の費用 |

| 上級(仕事を教える) | 接客で困らない、新人に教える | 教える役割、会議での発言の場 |

段階を分けるのは、上を目指す人を下に止めないためです。上級の人に単語カードを渡すと、支援は軽くなります。

本人の目標は、面談で1度聞きます。「日本語で、次に何がしたいですか」。答えが支援の形を決めます。あなたの宿の面談に、この問いは入っていますか。

試験の情報を押さえておく

資格の道に関わる試験は、主に2つです。

  • JLPT(日本語能力試験):N5〜N1。国内では年2回(7月と12月が中心)の実施です
  • JFT-Basic:特定技能で使われる試験。実施の回数が多く、コンピュータで受ける形です

日程と申し込みは変わるので、最新の情報は公式サイトで確認する形を本人と1緒にやります。手順を1度1緒にやると、2回目から本人ができます。

やらないほうがよい3つ

  • 勤務時間外の勉強を義務にする:義務にした瞬間、学習は「宿の命令」になります。命令の学習は命令が止まると止まります
  • 評価に直結させる:「N2を取らないと昇給しない」は、言葉が得意な人だけの昇給になります。学習の支援と、評価の基準は分けます
  • 「日本に住んでいれば自然に覚える」に任せる:職場と寮の往復では、触れる日本語が限られます。任せる形は放置の形です

職場の1歩を踏み出すためのヒント

外国人スタッフの1人に、2つ聞いてみてください。

  • 「日本語、もっと勉強したいですか」
  • 「いま、勉強の時間はありますか」

2つの答えで、支援の形が決まります。「したい・時間がない」なら形1(時間)が穴です。「したい・方法がわからない」なら形2(情報)が穴です。「したい・勉強している」なら形3(使う場所)を足します。

聞ける人がいない宿(まだ外国人スタッフがいない)は、形2の情報の1枚を先に作ってください。日本語教室の場所と試験の日程を1枚にしておくと、最初の人が入った日に渡せます。渡す1枚がある宿は、学習の支援が初日から始まります。



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