採用 / RECRUITMENT採用戦略
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採用を人事だけに任せない組織

「採用は人事の仕事」。この分業は、大きな組織では自然です。ただ、宿の採用では、この分業がうまく回らない形になることがあります。回らない理由と、回している宿の形を比べます。


人事だけに任せると、何が起きるか

採用の窓口が1人(または人事部だけ)になっている宿では、次の流れが起きやすいです。

• 現場が「人が足りない」と言う

• 人事が求人票を書く

• 応募が来て、人事が面接する

• 人事が「良さそうな人」を入れる

• 現場が「聞いていたのと違う」となる

• 3ヶ月で辞める

• 1に戻る

この流れの問題は、3と4にあります。仕事の中身を知らない人が、仕事に合う人を選ぶ形になっているからです。

人事を責める話ではありません。人事は、渡された情報で選ぶしかありません。情報が現場から渡っていないのが、流れの本当の問題です。あなたの宿の流れは、どこで止まっていますか。

あなたの宿では、直近の採用で、現場の人が面接に1度でも入りましたか。入っていないなら、上の流れの途中にいます。

任せない組織は、「全員で採る」ではない

ここで誤解を1つ解いておきます。

「人事だけに任せない」は、全員で採用活動をするという意味ではありません。全員採用を掲げて、誰も動かない宿もあります。

任せない組織とは、4つの役割が分かれていて、つながっている組織です。

| 役割 | 誰が持つ | 何をする |

|---|---|---|

| 決める | 経営者・支配人 | 何人採るか、条件、最終判断 |

| 進める | 人事・採用担当 | 求人票、媒体、日程、連絡 |

| 目利きする | 現場の先輩 | 面接に同席、仕事との相性を見る |

| 迎える | 現場のチーム | 初日の準備、最初の3ヶ月の教育 |

4つの役割のうち、人事が持つのは2つ目だけです。残りの3つは、他の人が持ちます。あなたの宿では、4つの役割がそれぞれ誰のものになっているでしょうか。

持たれている宿では、辞め方が変わります。入る前に仕事を見た人が選び、入ったあとに迎える人がいるからです。

4つの役割を、宿の形に落とす

決める:年に1度、1枚で

経営者が「今年、何人採るか、いくら使うか」を1枚にします。枚数は1枚で足ります。決める人が決めていないと、人事は動けません。

進める:担当を1人に固定しない

進める役が1人だと、その人が休んだときに採用が止まります。止まらないように、2人で持つ形にします。1人が主、1人が副。副の人は、媒体の管理と日程だけでも持てます。

目利きする:現場から1人、面接に入る

これが効きやすい役割です。あなたの宿で、現場の人が面接に1度入ると、3つ変わります。

  • 仕事の実態が、その場で伝えられる
  • 応募者が、現場の人の顔を見られる
  • 現場の人が、入る人を「自分で選んだ」と思える

3つ目が大事です。自分で選んだ人は、入ったあとも面倒を見ます。 人事が入れた人は、「人事が入れた人」になります。

迎える:初日の前に、名前を出す

新しい人が入る日を、現場のシフトに先に書きます。名前で書きます。書かれたチームは、初日の前に「誰が来るか」を知ります。知っていると、迎え方が変わります。

任せない組織と、任せきりの組織の比較

| | 任せきり | 任せない |

|---|---|---|

| 求人票の中身 | 条件だけ | 仕事の実態が入る |

| 面接 | 人事のみ | 現場が同席 |

| 入った人の所属感 | 「会社が入れた」 | 「うちのチームが選んだ」 |

| 辞めたときの動き | 人事が再度出す | 現場が理由を1緒に見る |

| 採用の速度 | 窓口が詰まりやすい | 役割が分かれて流れる |

5つの行のうち、あなたの宿はいくつ右側にありますか。1つでも左なら、そこから直せます。

小さな宿では、役割が1人に重なる

5人の宿では、4つの役割を2人で持つこともあります。重なること自体は問題ではありません。

問題になるのは、「決める」と「目利きする」が同じ人になるときです。決める人が1人で目利きもすると、他の人が選ぶ機会を持てません。持てないと、育ちません。

重なりを解くなら、ここから解きます。面接に、決める人以外の人が1度入る。これだけで、組織の形が変わります。あなたの宿の面接は、いま誰が入っていますか。

任せない組織のデメリットも見る

公平のために、デメリットも2つ置きます。

1. 現場の時間を取る

面接同席は、現場の時間を1時間使います。繁忙期には組みにくいことがあります。組めないなら、閑散期に採用を寄せる判断が要ります。

2. 判断が分かれる

現場と人事で評価が割れることがあります。割れたときの決め方を、先に決めておく必要があります。「最終は支配人」「割れたら見送る」。どちらでもよいので、決めておきます。

2つとも、仕組みで解ける形です。解けないデメリットではありません。

職場の1歩を踏み出すためのヒント

次の面接に、現場の人を1人同席させてみてください。 同席してもらう人には、事前に1行だけ伝えます。「仕事の実態を伝える役です。合否の判断はしなくてよいです」。

1行があると、同席した人は楽に入れます。楽に入れると、応募者にも自然に話せます。

次の面接がないなら、「目利きする人」を先に決めておいてください。決めておくだけで、次の採用のときに声がかけられます。声をかけられた人は、準備ができます。準備ができている組織は、採用が速くなります。



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