宿泊業の評価制度はどう設計するか
評価制度——設計しようとすると、「何から決めるのか」で止まります。この記事は、小さな宿でも1枚の紙から組める設計の順番を置きます。
評価制度は、何のためにあるのか
3つの役割があります。
• 公平——「何を測っているか」を説明できる形です。説明できない評価は、疑いを生みます
• 成長——次の段が見えると、人は育ちます
• 接続——教育と評価をつなぎ、評価と配置をつなぐ線です
3つの役割のうち、あなたの会社が今もっとも欲しいものはどれですか。欲しいものが、設計の最初の行になります。
設計の前に決める——3つの問い
• 誰のための制度か——最初の1枚は5人分でも構いません。全員分で始めると、重くて止まります
• 何につなぐか——給与か、役か、教育か。接続を先に決めます。接続のない評価は、儀式になります
• 誰が回すか——支配人か、人事か、リーダーか。回す人のいない制度は、1年で棚に入ります
3つの問いに答えられると、設計は軽くなります。
設計の4つのブロック
1:項目のブロック——何を測るか
測るものは3つの側です——仕事(何を回せるか)、技術(どの段か)、育てた行(誰を教えたか)。宿泊業の形では、接客の基本十項目、多能工の3段表、教育担当の行が、そのまま項目になります。
2:段階のブロック——どう測るか
3段で足ります——1人でできる・見ればできる・まだ。5段や点数の制度は、小さな宿では回しにくい形です。段階は「測る」でなく「見える」ためにあります。
3:周期のブロック——いつ測るか
半年に1度が目安です——宿によっては年に1度で回ることもあります。宿の季節に合わせます——繁忙期のあとに測り、繁忙期の前に置く。忙しい季節の真ん中に面談を置くと、形だけになります。
4:面談のブロック——どう渡すか
結果は紙でなく対話で渡します。評価の面談と日常の1on1は、別の形です。渡されない評価は、無い評価に近い形です。
4つのブロックは、どれも1枚の紙に載ります。あなたの会社の制度には、4つがいくつありますか。
公平の形——3つの線
評価制度のWell-beingは、公平の3つの線で決まります。
• 説明できる——「なぜこの評価か」が1行で言えますか。言えない評価は、どんなに正しくても不公平に感じられます
• 同じ基準——人によって基準を変えない形です。外国スタッフにも同じシート——違うのは道具(やさしい日本語、考える時間)だけです
• 双方向——測られる側の声の場所があります。自己評価の行、面談の対話。1方通行の評価は、査定になります
3つの線がある制度は、小さくても公平です。あなたの会社の制度には、3つの線がいくつありますか。線のない制度は、大きくても疑いを生みます。
罠:3つ
• 大きな制度を写す——百人の会社の制度を十人の宿に写すと、回りません。規模に合った重さがあります
• 給与から始める——最初の1周期は、「見られる」だけで回します。給与への接続は、制度が信頼されたあとです(信頼が先の形)
• 完璧を待つ——7割の制度で回っている方が、十割の制度が引き出しにあるより重く働きます。あなたの会社の設計は、どの罠に近いですか
小さな宿の最小形——1枚
5人の宿の制度は、1枚で足ります。
- 縦に5〜十の仕事の行、横に3段
- 下に2行——今期の目標の1行、育てた行の1行
- 半年に1度、3十分の面談
- 回す人は2人——支配人と、もう1人
評価する人の目を揃える研修は、2人でも効きます。
最初の1歩としての小さな実践
紙1枚に、5つの行×3段の枠を描いてください。
- 行に、あなたの宿の仕事の名前を5つ書きます
- 1人分だけ、3段を埋めてみます
- 埋めた1枚を、その人との十5分で1緒に見ます
評価制度は、規定集からでなく、1枚と1人から始まります。1緒に見た1枚は、その人にとって「測られる紙」でなく「見える紙」になります。あなたの会社の1枚は、今日描けます。