チームの状態をどうやって見るか
「チームの状態はどうですか」——人事がこう聞かれた時、何で答えますか。印象ですか、苦情ですか、離職率ですか。この記事は、人事の目でチームの状態を見る3つのレンズと、5つの段を整理します。
3つのレンズ——数・声・振る舞い
• 数のレンズ——離職率、欠勤日数、残業、研修の参加数。速く、比較できます。ただし遅れる——数は「結果」を語り、「理由」を語りません
• 声のレンズ——調査、1on1、去りの面談、目安箱。理由が聞けます。ただし偏る——話せる人の声だけが届きます
• 振る舞いのレンズ——挨拶、休憩室、会議の沈黙、助け合いの小さな行。遅く、比べにくい。ただし正直です——振る舞いは、言葉より偽りにくいことがあります
1つのレンズは歪みます。3つを重ねて、初めて「状態」が見えます。
なぜ、人事が見るのか——公平の役
- リーダーは自分のチームを見ます。人事はチームの間を見ます——比較の中にだけ見える「状態の不公平」があります
- 1のチームの離職率が、他方の2倍のことがあります。数だけでは理由は分かりません——数は指差し、人事は聞きに行く役です
- 人的資本の指標は、「測る」からでなく「見る」から始まります。見ていない指標は、報告の飾りになります
あなたの会社の人事は、3つのレンズのうち、いくつを持っていますか。
見方の5つの段
• 3つの数を決める——増やしません。離職率、欠勤日数、調査の返答率——3つで足ります
• 声を4半期で集める——短く(5つの問い)。記名か無記名かは、目的で決めます——改善のためなら無記名、対話のためなら記名です
• 振る舞いを歩いて見る——月に1度、人事が現場を歩きます:休憩室、朝礼、申し送りの3分間。机の上では見えない行です
• チームごとに重ねる——3つのレンズを、チーム別に並べます。ずれがサインです——数がよくて振る舞いが悪いチームは、明日の数を持ちます
• 現場に返す——見た結果は、現場に返します。返さないデータは、不信を生むこともあります。あなたの会社の見方には、どの段が足りませんか
2人の人事の物語
典型的な2人を並べます(※特定の施設ではなく、典型的な状況をもとに整理した事例です)。
- 1の会社の人事——数だけを見ていました。離職率が「悪い」から「平均」に上がった年、安心しました。ただし振る舞いは別の話をしていました——休憩室の沈黙、挨拶の減り、ベテランの去り。数は半年遅れでした。次の年、声と振る舞いのレンズを足し、「数は平気でも、3人が去りの意思を持つチーム」を見つけました。レンズを1つ足すと、見える半年が変わりました
- 別の会社の人事——月の調査をしていました。返答率は8割から4割に落ちました——調査が「変わらない様式」に読まれたからです。彼は結果を現場に返しました——「今月の3つの声」と「それに対して行ったこと」を壁に貼る形です。返答率は7割に戻りました。調査は問いでなく、応答で生きることが分かりました
差は、3つのレンズで見たか、データを死なせたかです。あなたの会社のデータは、生きていますか。
見る時の注意——3つ
- 数は遅れる——数は昨日を指します。振る舞いは今日を見せます。両方が要ります
- 声は偏る——話せる人が、全員でありません。沈黙も、データとして読みます
- 返さぬ見方は監視——現場のために見るのであって、現場を見るのではない形です。返す段を忘れた見方は、信頼を削ります
日常の業務の中で意識したいこと
3つの数・1つの声・1つの振る舞いを、1枚のカードに書いてください。
- 数:今の離職率。声:最後に聞いた現場の1言。振る舞い:最後に自分の目で見た休憩室
- 3つが並んだカードが、「状態を見る」の始まりです
あなたの1枚には、何が載りますか。